荒れ野の40年―ウァイツゼッカー大統領演説全文 1985年5月8日 (岩波ブックレット) - 和書 - 子供と読む絵本の旅
永井 清彦(翻訳)

岩波書店

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価格:¥ 504
発売日:1986-02 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
真摯とは何か  (2008-03-15)
荒れ野の40年と題される1985年5月8日のヴァイツゼッカーによる大統領演説全文である。

当時の国際情勢や大戦後のドイツ国民自身が経験した辛苦を丁寧に触れながらも、ドイツが他国(民)に犯した罪を具体的に挙げている。

日本の教科書問題を例に挙げるまでもなく、自国の罪責を具体的に述べて謝罪の意を示すというのはとても難しい。たとえ、ドイツ国内における歴史的なキリスト教信仰と罪責告白の系譜が下地にあったとしてもである。その意味で、ヴァイツゼッカー大統領個人の功績はドイツの歴史にとって、また人類の歴史のとって非常に意義の深いものだと思う。

本書は、訳書であり、訳者自身が述べているとおり100%原文と同じニュアンスではないかもしれないが、読んでいて大きな違和感を感じるところはなかった。丁寧な注釈には、ドイツ語原文の単語が記載されているので、訳をさらに補足することに役立っている。

ドイツ大統領が語りかける  (2006-09-29)
戦後40年を記念した一敗戦国の決意表明である。
戦争というものには様々な見解があるが、
大統領の演説は、簡潔でありながらも重みがある。
民主主義から生じたナチズムの脅威を振り返りながら、
国民一人一人に公民として回顧・反省を静かに求め、
自由民主主義の絶対擁護を未来へ向けて宣誓する。

素晴らしいの一言  (2004-09-08)
一時間程度で読める本だが、非常に内容が濃密で高尚な精神性にあふれる演説である。真摯に自国の忌まわしい過去と向き合い、それを公に告白し、そしてそれを糧に将来を切り拓いていく。無念の死を遂げた戦没者に贈る最高の鎮魂曲でもあれば、これからの世代に対する、平和と正義の実現への切実な訴えでもある。その根底に流れるキリスト教信仰は、某国が最近惹き起こした戦争などとの関連でかなり厳しい批判にさらされているが、この演説は<罪の告白と赦し>という本物のキリスト教信仰の素晴らしさを垣間見せてくれる。

訳は気品にあふれて読みやすい。詳細な注釈もつけてあり、演説の背後にある様々な歴史的事情がよく分かる。巻頭、巻末の解説もなかなか良い。


ヴァイツゼッカーの世界に触れる入門書  (2004-08-15)
これほど「岩波ブックレット」の存在を有難いと思ったことはなかった。ヴァイツゼッカーの演説がこれほどの安価で手許に置けるのだ。ヴァイツゼッカーの圧倒的な深みある言葉に魅了され、自分の思考を磨こうと努力すると、ホンモノでないまやかしの言葉を見極められるようになる。その第一歩として、まずはこの代表的演説を読んで見て頂きたい。