カスタマーレビュー
おすすめ度:
続きを読まねば!
(2008-12-23)
後書きで作者が材料には使ったがテーマではないと断っていますが、「政治」を扱っていることに大変驚きました。浅薄だとの厳しいレビューもありますが、政治の不毛、アメリカとの関係等私にとっては非常に興味のある分野ですので、意外でしたが大変面白く読みました。キャラ設定も相変わらず巧みで、特に犬養首相は際立ってますね。
但し、連続した二つの短編集で更に続編があるからでしょうか、ストーリーの全体観や一連の顛末が見えそうで見えず、デビュー作と同様に非常に想像力を掻き立てられますが、評価のばらつきが正に語っている通り少しだけストレスも残ります。続編も必須かと。
終わり方が…
(2008-12-17)
何気ない日常の中で進行するファシズム…というのがこの作品の主題なのでしょうが、
張られた伏線は答えを何となく匂わせるだけで回収することもなく、
そもそも登場する政治家、犬養の目指していたものがファシズムで、
起こったいくつかの事件が犬養が企図したものだったのかすら曖昧で、最後の最後にまた謎を生んで、唐突に終わります。
最後の文章の後に続く空白と、あとがきでやっと終わった事がわかるくらいで、
読み終えた後は途方に暮れるぐらいです。
国民の政治への無関心と、伊坂作品の独特かつ面白い台詞回しやセンスはよかったのですが、
あまりにも読者を突き放しすぎている気がしました。
文芸っぽくない
(2008-12-14)
私自身が文芸というものに固定観念を抱いているのかもしれませんが、文芸作品全般に感じられる深み? または陰影? のようなものがしっかりと提示されていたように感じられなくて、それが違和感になったのかなと思う。
いや、面白いのは認めます。この手の作風は確かに娯楽要素もあるし魅力的です。
ただ、ライトノベルっぽい設定が強烈というか……。挿し絵とかが入っても違和感がないです。
逆に言えば、無関心が世界を台無しにしている
(2008-12-13)
初出は『エソラ』の2004年12月第一号と2005年7月の第二号。単行本は2005年10月リリース。伊坂の創り出すキャラクタは『何らかの特殊な力』を持っているケースが多い。その最たるものが『死神の精度』の死神千葉だろう。本作の主人公たちも持っている。特に最初の表題作の方は、これって『七瀬ふたたび』のアクティブ・テレパスじゃないか、って正直思った。
ただむしろ感心したのはこの作品で大きく『政治』というものを取り上げたところだ。しかも、リリースされた時期と現実を比較すると、2005年9月11日が小泉首相の郵政民営化選挙なので、本作品の中の政治的状況というのはオバマが『Change』を叫んだり、蟹工船が異常な売れ行きを示した、今の政治的状況に似ている。このあたりの慧眼が伊坂には間違いなくあってスゴイと思う。
ただちょっと気に入らないのは、巻末あとがきで『政治的な事(と見える部分)も全部、著者の乏しい知識と想像力で作られたものです』とわざわざ書いているところだ。むしろ何も語らずこの作品を置いておいた方が面白かったのではないか、と思う。そこが残念だ。
魔王―不自然に整列する不気味さ
(2008-12-06)
本書より先にモダンタイムスを読了した。
モダンタイムスは本書の続編という位置づけにあるとのことなので、本書も読んでみた次第である。
◆読後感はとてもいい。
◆ファシズム、超能力、平和憲法
◇ドゥーチェのマスターはモダンタイムスで出てくる老執事?
◇リング・・・の影響もあるのかないのか。
◇リングをホラーではなく、社会派小説で書くとこんな感じか?
◇モダンタイムスを先に読んでしまったため、
若干ネタばれ的な部分があった。
◇安藤兄の能力、弟の能力
◇その後のストーリーについても分かってしまっているところ
◇あとがきで作者は「政治的な主張をする意図はない」とあるが、
思想的なメッセージがあるような気がしてならない。
◇単純に右よりな話でもなく、左よりな話でもないところに
好感が持てる
◇さらにいうと考えさせられる。
◇宮沢賢治の詩はそんなに感動的か?
◆この小説のタイトルでもある「魔王」なるもののについて、
考えさせられる。
◆われわれはもっと自覚的に生きる必要があるのではないか
◆近隣諸国からさらされている脅威・・・
◆どこかで(ネット掲示板で)見かけたことあるような話だな・・・
おすすめ度:
続きを読まねば!
後書きで作者が材料には使ったがテーマではないと断っていますが、「政治」を扱っていることに大変驚きました。浅薄だとの厳しいレビューもありますが、政治の不毛、アメリカとの関係等私にとっては非常に興味のある分野ですので、意外でしたが大変面白く読みました。キャラ設定も相変わらず巧みで、特に犬養首相は際立ってますね。
但し、連続した二つの短編集で更に続編があるからでしょうか、ストーリーの全体観や一連の顛末が見えそうで見えず、デビュー作と同様に非常に想像力を掻き立てられますが、評価のばらつきが正に語っている通り少しだけストレスも残ります。続編も必須かと。
終わり方が…
何気ない日常の中で進行するファシズム…というのがこの作品の主題なのでしょうが、
張られた伏線は答えを何となく匂わせるだけで回収することもなく、
そもそも登場する政治家、犬養の目指していたものがファシズムで、
起こったいくつかの事件が犬養が企図したものだったのかすら曖昧で、最後の最後にまた謎を生んで、唐突に終わります。
最後の文章の後に続く空白と、あとがきでやっと終わった事がわかるくらいで、
読み終えた後は途方に暮れるぐらいです。
国民の政治への無関心と、伊坂作品の独特かつ面白い台詞回しやセンスはよかったのですが、
あまりにも読者を突き放しすぎている気がしました。
文芸っぽくない
私自身が文芸というものに固定観念を抱いているのかもしれませんが、文芸作品全般に感じられる深み? または陰影? のようなものがしっかりと提示されていたように感じられなくて、それが違和感になったのかなと思う。
いや、面白いのは認めます。この手の作風は確かに娯楽要素もあるし魅力的です。
ただ、ライトノベルっぽい設定が強烈というか……。挿し絵とかが入っても違和感がないです。
逆に言えば、無関心が世界を台無しにしている
初出は『エソラ』の2004年12月第一号と2005年7月の第二号。単行本は2005年10月リリース。伊坂の創り出すキャラクタは『何らかの特殊な力』を持っているケースが多い。その最たるものが『死神の精度』の死神千葉だろう。本作の主人公たちも持っている。特に最初の表題作の方は、これって『七瀬ふたたび』のアクティブ・テレパスじゃないか、って正直思った。
ただむしろ感心したのはこの作品で大きく『政治』というものを取り上げたところだ。しかも、リリースされた時期と現実を比較すると、2005年9月11日が小泉首相の郵政民営化選挙なので、本作品の中の政治的状況というのはオバマが『Change』を叫んだり、蟹工船が異常な売れ行きを示した、今の政治的状況に似ている。このあたりの慧眼が伊坂には間違いなくあってスゴイと思う。
ただちょっと気に入らないのは、巻末あとがきで『政治的な事(と見える部分)も全部、著者の乏しい知識と想像力で作られたものです』とわざわざ書いているところだ。むしろ何も語らずこの作品を置いておいた方が面白かったのではないか、と思う。そこが残念だ。
魔王―不自然に整列する不気味さ
本書より先にモダンタイムスを読了した。
モダンタイムスは本書の続編という位置づけにあるとのことなので、本書も読んでみた次第である。
◆読後感はとてもいい。
◆ファシズム、超能力、平和憲法
◇ドゥーチェのマスターはモダンタイムスで出てくる老執事?
◇リング・・・の影響もあるのかないのか。
◇リングをホラーではなく、社会派小説で書くとこんな感じか?
◇モダンタイムスを先に読んでしまったため、
若干ネタばれ的な部分があった。
◇安藤兄の能力、弟の能力
◇その後のストーリーについても分かってしまっているところ
◇あとがきで作者は「政治的な主張をする意図はない」とあるが、
思想的なメッセージがあるような気がしてならない。
◇単純に右よりな話でもなく、左よりな話でもないところに
好感が持てる
◇さらにいうと考えさせられる。
◇宮沢賢治の詩はそんなに感動的か?
◆この小説のタイトルでもある「魔王」なるもののについて、
考えさせられる。
◆われわれはもっと自覚的に生きる必要があるのではないか
◆近隣諸国からさらされている脅威・・・
◆どこかで(ネット掲示板で)見かけたことあるような話だな・・・
