カスタマーレビュー
おすすめ度:
ある種の痛ましさ。
(2007-05-31)
彼の作品はどれもそうだが、いつも予想を心地よく裏切る。
この作品も、もっと甘やかな、なんというか一種の軟弱さを予期していたら、見事にちがった。
ギベールは徹底的に正直なひとである。多くの人がやってしまいがちな、‘自分をごまかす’ということをしない。だから、彼の作品を読んだ者は、常に、彼の肉声による内緒話を聞くことになる。
独特の<体感小説>となるのである。
読者は、ギベールの息遣いを感じ、心臓の鼓動を聞き、彼の苦悩を、彼の歓びを味わう。
その意味で、これほど<官能的な>小説はない、ともいえるし、また、これほど<いたいたしい>小説もない、ともいえる。
内臓のような。
(2004-05-21)
全編、自身の同性愛について語られるが、同性愛であること自体お悩みは語られない。
自分が同性愛者であることを当然として受け入れ、また恋人への欲情を赤裸々に語る様には、目を背けたくなる。
日記でもこんなふうには書くまい。
醜いまでの美しさ
(2002-07-02)
日記の中から無作為に選ばれたような文章の断片。しかし、もちろんその表現は洗練され、一つの作品として完成している。話の流れは過去と未来を行き来しているので一度読んだだけでは理解できないかもしれない。露骨な性描写も多数含まれているので苦手な方は注意が必要。
おすすめ度:
ある種の痛ましさ。
彼の作品はどれもそうだが、いつも予想を心地よく裏切る。
この作品も、もっと甘やかな、なんというか一種の軟弱さを予期していたら、見事にちがった。
ギベールは徹底的に正直なひとである。多くの人がやってしまいがちな、‘自分をごまかす’ということをしない。だから、彼の作品を読んだ者は、常に、彼の肉声による内緒話を聞くことになる。
独特の<体感小説>となるのである。
読者は、ギベールの息遣いを感じ、心臓の鼓動を聞き、彼の苦悩を、彼の歓びを味わう。
その意味で、これほど<官能的な>小説はない、ともいえるし、また、これほど<いたいたしい>小説もない、ともいえる。
内臓のような。
全編、自身の同性愛について語られるが、同性愛であること自体お悩みは語られない。
自分が同性愛者であることを当然として受け入れ、また恋人への欲情を赤裸々に語る様には、目を背けたくなる。
日記でもこんなふうには書くまい。
一方、恋人がエイズであることを疑い、感染を恐れ、しかし拒めない弱さも正直に描かれている。
裸体、を越えて内臓を露出したかの印象。
少々露悪的でもある。
醜いまでの美しさ
日記の中から無作為に選ばれたような文章の断片。しかし、もちろんその表現は洗練され、一つの作品として完成している。話の流れは過去と未来を行き来しているので一度読んだだけでは理解できないかもしれない。露骨な性描写も多数含まれているので苦手な方は注意が必要。
同性愛者であるエルヴェ・ギベールの、年下の恋人ヴァンサンへの痛いほどの想いがじわじわと伝わってくる。赤裸々過ぎるほどの想いの描写は無様にもみえるが、それだからこそよりいっそう美しい。
裸をさらけだしているような、そんな激しい愛の記録である。
