カスタマーレビュー
おすすめ度:
「この人たちよりまし。」と思いたければ。
(2008-12-29)
実際この本が読まれて評価されているのは、
「この人たちよりまし。」
という、哀れみと自分の環境に対する安堵感の入り混じった感情を分析できず、表現できない現代日本人の状況を示しているのではないだろうか。
さぁ、あなたも「この人たちよりまし。」という思いをしませんか?
まじめに書くと(笑)
物語と言うより、「資本主義に搾取される労働者」と言う状況を文章化し、労働者はすなわち奴隷のような存在であること、を明らかにした意味で、いまだに文学的価値を失っていない。
戦中の時代背景が分かる本
(2008-12-16)
タイトルにもあるように「蟹工船」と「党労働者」という二本立てとなっています。
どちらも戦中時における労働者の団結について書かれています。
前半は蟹工船という船に乗って働かされている労働者たちが、搾取されていることに気付き団結していくというストーリーになっています。
企業の労働組合が出来ていく様子に似ているように感じました。
後半は、戦中時における共産主義者の活動の様子が書かれています。
この時代における活動の難しさがよく描かれています。
どちらも共産主義に関するものですが、当時の時代背景が伝わってきました。
最初のうちは言葉も古いので読みにくかったのですが、徐々に慣れてきて後半は一気に読めました。
現代とは全く関係のない作品。
(2008-12-02)
文学としてだけでなく、当時の政治的そして社会的環境下で
こういった作品を発表する作者の気概にはすばらしいものがある。
内容も閉鎖感やそれに抗おうとする労働者の力が
非常に生々しく感じられる。
現代の日本は当時と違い経済的に恵まれ、政治的に自由で、
むしろ世界中の貧しい国々から続々と出稼ぎに来るような国になり、
やる気になれば自ら「搾取しない派遣会社」を作ることさえ出来る。
しかし多数はそういった事は一切せずに「闘い」「ワープア」「活動家」
などと称して、社会に対して文句を言うばかり。
命を賭して「正しい行動」を訴えた作者がそんな現代にいたなら、
どう思い、どういった作品を書いたのかをむしろ考えさせられた。
真理は圧倒的な力をもっている
(2008-11-20)
蟹工船という単品作品が一年以上もブームになっていることは、この作品の圧倒的な力を物語っている。この作品の力とは「真理」である。
働く者たちが報われることがなく、それを食い物にしていることを国家が推し進め、ついには国家が収奪者のためだけに軍隊という最大の暴力組織を動員することもためらわないという現実である。
そのことは今日にいたっても変わるどころか「資本主義の里帰り」と揶揄されるような形で継続、発展されている。
現在の派遣労働は製造現場や一般事務まで認められているが、わずか9年ほど前までは派遣労働は医師や会計士、通訳など専門的な職種しか認められていなかった。
日常的な業務での派遣労働を認めれば給料のピンハネや、雇用主の都合による解雇が安易におこなわれ働く人の権利が守られないからである。しかし、日本経団連はじめ財界からの強い要求のもとに1999年に派遣が原則自由化され、そして工場などの製造現場でも派遣が自由化された。その結果、今日では女性と30代以下の青年層の二人に一人が不安定雇用となっているのが日本社会の現実である。
この作品が現代に蘇っているのは、いまの日本社会をありのままに現しているからだと思う。
一説を紹介したい(以下、原文より抜粋)
青森辺の善良な村長さんに選ばれてきた「何も知らない」「木の根っこのように」正直な百姓もその中に交じっている。ーーそしてこういうてんでんばらばらのもの等を集めることが、雇うものにとって、この上なく都合のいいことだった
(以上、終わり)
「すべては自己責任だ」と労働条件の悪さを働く人の責任にし、成果主義の導入で一人ひとりがバラバラにされ、自己の権利も労働基準法も知らされずボロボロになるまで低賃金で働かされる・・・金融不況の中で大手自動車メーカーは何千名もの派遣労働者の首切りをおこなわれようととしているなか、是非とも手にとって頂きたい。
小林多喜二の蟹工船は真理であるがゆえに圧倒的な力を持っているのです。
読んで損は無い
(2008-10-12)
蟹工船と党生活者の2本立てです。
蟹工船は劣悪な環境下で自然発生的にストライキが起こる様を描いた小説(実話?)です。
決まった主人公がいないため、話が散漫となるところもありましたが、
人間の感情のうねりを感じ取ることが出来ました。
現在の「日雇い労働者」や「派遣労働者」と照らし合わせてマスコミが
騒いでいたので手にとってみましたが、蟹工船ほどではないな、と思いました。
本では、労働者は人間らしい扱いが全く無く、まさに資産階級の奴隷のような存在。
しかし、現在はまがりなりにも肉体的・精神的な自由はあり、
そこまでの劣悪な条件下ではない、自由を享受している上での甘えなのでは?と。
這い上がることが出来る時代なのに、それだけの努力をしようとしない、
現代人の甘えを戒める、そんな読後の感想を持ちました。
党生活者はしっかりとした主人公「私」がいます。
共産党の支持者であった著者、小林多喜二の実体験を基に描かれているのでしょう。
当時の思想のあり方を垣間見ることが出来ます。
母とのやり取りや同士一人一人の性格の違いなど、
人間の心の機微を描いている秀作と感じました。
今、労働組合の形骸化・労使協調などが日本の会社に見られますが、
そんなことを微塵にも感じさせない、ブルジョワジーvsプロレタリアートを
まざまざと見せ付けられる一冊、読んで損は無いと思います。
おすすめ度:
「この人たちよりまし。」と思いたければ。
実際この本が読まれて評価されているのは、
「この人たちよりまし。」
という、哀れみと自分の環境に対する安堵感の入り混じった感情を分析できず、表現できない現代日本人の状況を示しているのではないだろうか。
さぁ、あなたも「この人たちよりまし。」という思いをしませんか?
まじめに書くと(笑)
物語と言うより、「資本主義に搾取される労働者」と言う状況を文章化し、労働者はすなわち奴隷のような存在であること、を明らかにした意味で、いまだに文学的価値を失っていない。
戦中の時代背景が分かる本
タイトルにもあるように「蟹工船」と「党労働者」という二本立てとなっています。
どちらも戦中時における労働者の団結について書かれています。
前半は蟹工船という船に乗って働かされている労働者たちが、搾取されていることに気付き団結していくというストーリーになっています。
企業の労働組合が出来ていく様子に似ているように感じました。
後半は、戦中時における共産主義者の活動の様子が書かれています。
この時代における活動の難しさがよく描かれています。
どちらも共産主義に関するものですが、当時の時代背景が伝わってきました。
最初のうちは言葉も古いので読みにくかったのですが、徐々に慣れてきて後半は一気に読めました。
現代とは全く関係のない作品。
文学としてだけでなく、当時の政治的そして社会的環境下で
こういった作品を発表する作者の気概にはすばらしいものがある。
内容も閉鎖感やそれに抗おうとする労働者の力が
非常に生々しく感じられる。
現代の日本は当時と違い経済的に恵まれ、政治的に自由で、
むしろ世界中の貧しい国々から続々と出稼ぎに来るような国になり、
やる気になれば自ら「搾取しない派遣会社」を作ることさえ出来る。
しかし多数はそういった事は一切せずに「闘い」「ワープア」「活動家」
などと称して、社会に対して文句を言うばかり。
命を賭して「正しい行動」を訴えた作者がそんな現代にいたなら、
どう思い、どういった作品を書いたのかをむしろ考えさせられた。
真理は圧倒的な力をもっている
蟹工船という単品作品が一年以上もブームになっていることは、この作品の圧倒的な力を物語っている。この作品の力とは「真理」である。
働く者たちが報われることがなく、それを食い物にしていることを国家が推し進め、ついには国家が収奪者のためだけに軍隊という最大の暴力組織を動員することもためらわないという現実である。
そのことは今日にいたっても変わるどころか「資本主義の里帰り」と揶揄されるような形で継続、発展されている。
現在の派遣労働は製造現場や一般事務まで認められているが、わずか9年ほど前までは派遣労働は医師や会計士、通訳など専門的な職種しか認められていなかった。
日常的な業務での派遣労働を認めれば給料のピンハネや、雇用主の都合による解雇が安易におこなわれ働く人の権利が守られないからである。しかし、日本経団連はじめ財界からの強い要求のもとに1999年に派遣が原則自由化され、そして工場などの製造現場でも派遣が自由化された。その結果、今日では女性と30代以下の青年層の二人に一人が不安定雇用となっているのが日本社会の現実である。
この作品が現代に蘇っているのは、いまの日本社会をありのままに現しているからだと思う。
一説を紹介したい(以下、原文より抜粋)
青森辺の善良な村長さんに選ばれてきた「何も知らない」「木の根っこのように」正直な百姓もその中に交じっている。ーーそしてこういうてんでんばらばらのもの等を集めることが、雇うものにとって、この上なく都合のいいことだった
(以上、終わり)
「すべては自己責任だ」と労働条件の悪さを働く人の責任にし、成果主義の導入で一人ひとりがバラバラにされ、自己の権利も労働基準法も知らされずボロボロになるまで低賃金で働かされる・・・金融不況の中で大手自動車メーカーは何千名もの派遣労働者の首切りをおこなわれようととしているなか、是非とも手にとって頂きたい。
小林多喜二の蟹工船は真理であるがゆえに圧倒的な力を持っているのです。
読んで損は無い
蟹工船と党生活者の2本立てです。
蟹工船は劣悪な環境下で自然発生的にストライキが起こる様を描いた小説(実話?)です。
決まった主人公がいないため、話が散漫となるところもありましたが、
人間の感情のうねりを感じ取ることが出来ました。
現在の「日雇い労働者」や「派遣労働者」と照らし合わせてマスコミが
騒いでいたので手にとってみましたが、蟹工船ほどではないな、と思いました。
本では、労働者は人間らしい扱いが全く無く、まさに資産階級の奴隷のような存在。
しかし、現在はまがりなりにも肉体的・精神的な自由はあり、
そこまでの劣悪な条件下ではない、自由を享受している上での甘えなのでは?と。
這い上がることが出来る時代なのに、それだけの努力をしようとしない、
現代人の甘えを戒める、そんな読後の感想を持ちました。
党生活者はしっかりとした主人公「私」がいます。
共産党の支持者であった著者、小林多喜二の実体験を基に描かれているのでしょう。
当時の思想のあり方を垣間見ることが出来ます。
母とのやり取りや同士一人一人の性格の違いなど、
人間の心の機微を描いている秀作と感じました。
今、労働組合の形骸化・労使協調などが日本の会社に見られますが、
そんなことを微塵にも感じさせない、ブルジョワジーvsプロレタリアートを
まざまざと見せ付けられる一冊、読んで損は無いと思います。
