道ありき―青春編 (新潮文庫) - 和書 - 子供と読む絵本の旅
三浦 綾子

新潮社

グループ:Book /ランキング:48389
価格:¥ 620
発売日:1980-03 /通常24時間以内に発送

レビュー(Amazon.co.jp)
   昭和21年の敗戦の混乱期。自ら情熱を持っていた教員生活に自信を喪失し、退職。どうしようもない虚無感から、「ヴァンプ」と噂される程の精神的堕落を覚え2重婚約をするまでに至る。さらに肺結核を患い、13年間の闘病生活が始まる。

   釈迦は今まで自分が幸福だと思っていたものがすべて虚しくなり、山の中にはいった。そして聖書のはじまりも「混沌」であり、「世のすべては虚しい」と説いている。このことに目を止めた綾子は、幼なじみでクリスチャンであった前川正の深く清らかな愛情で、次第にキリスト信仰の道へ、迷い疑いつつ激しく葛藤しながら進んでゆく。本書は虚無と絶望からはじまる「自分のこころの歴史」を赤裸々に、また緻密に描き出した著者の自伝小説である。

   また、著者自身の信仰生活の道程が記されているとともに、青春期を通して多くの人々がぶつかる「真の愛とは何か」「人が人を愛するとはどのようなことか」を深く追求しつづけたその姿が記録されている。

 「綾ちゃん、人間はね、一人一人に与えられた道があるんですよ」と前川正によって優しく語られる言葉が本書の主題であり、さまざまな困難や過酷な状況にあろうとも「神への全き信頼」を抱くまでに成長した綾子の姿が読者のこころを圧倒的に魅了する。

   青春編とあるだけに、若い読者の「自らの道を求めている」魂に響く部分が多い。また青春期を過ぎた読者にとっても、著者とともに自分の青春期を振り返る作業ができる感慨深い作品となるに違いない。(青山浩子)

カスタマーレビュー
おすすめ度:
彼(正さん)の生き方を知ってほしい  (2008-08-13)
こんなにも自分以外の人間を愛し尽くすことが出来る人間が
この日本に、昭和の時代にいたなんて。
いや、こんなにも相手を思いやって愛することが人間に出来るなんて。
男女の愛なんて、
裏切りや自己中心的な思いとの葛藤で苦しむことが多いけど、
そうではない愛を築くことが出来る・・・と、知らされました。
それがキリスト教の信仰の凄さか。

子どもたちに読ませたい  (2008-01-26)
著者の自伝。そこかしこに愛情がこれでもかと溢れた作品。読み返す度涙を誘う。死を乗り越えたからこそ生の素晴らしさ、かけがえのなさを伝えることができる。そういうものを福音書と呼んでもよいかもしれない。「きみよ きみよ 帰りきよ 天の国から」と結んだ下の句はまさに「愛の絶唱」だ。かくも美しい愛の表現は、文学という形からしか生まれ無いのだろうか。


人生に迷ったら読みたい本  (2006-03-25)
病気と死と愛の中で生きた彼女の半生は、読むに値するものでした。
精神状態が明瞭に残されていて、戦後の文章使いとはいえ、すごく読み応えがありました。
ただし、彼女自身が洗礼を受けるまでの日々なので、どうしても宗教色が出ています。
彼女はクリスチャンですから、そういった精神論もにじみでています。
私がクリスチャンではないので、理解できても同意できない部分もありましたが、それは彼女の心の中の問題なので、生きていく意味を考えさせてくれる作品でした。

平凡な毎日に感謝したくなる本  (2006-01-26)
☆5つ。

私は男性ですが、三浦綾子さんの人間としての素直な心に非常に共感を覚えました。 
人間の弱さ、心細さ、強がり、良き人でありたいという願い、すべて本音で語っていらっしゃる。
とても長い間病床に臥していた彼女に不思議なほど多くの男性が魅力を感じるのはそんな素直な生き方になのでしょうか?
そして、そんな彼女を愛する男性たちの心の何と清らかなことか。
不幸にしてこの世では結ばれることのなかった、前川正さんが三浦さんに対して与え続けたその思いを思い浮かべるだけで涙がにじんで来ます。
キリスト教の信者の方々の話がたくさん出てきますが、私のような無宗教のものが読んでも、素直に内容に感動できます。
豊かにはなったものの、何か大事なものが失われている気がする今の日本が置き忘れてきた心を取り戻すことのできる本です。
ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。

人にやさしく  (2005-11-01)
母親に薦められ読んでみました。
綾子(著者)の己に苦悩する思いに共感する一方、
前川正の綾子に対する真摯な姿勢には深く感動を覚えました。
人生に行き詰った時、大切な人との関係に悩んでいる時、
本書はあなたにそっと救いの言葉を投げ掛けてくれるはずです。