鎖〈上〉 (新潮文庫) - 和書 - 子供と読む絵本の旅
乃南 アサ

新潮社

グループ:Book /ランキング:168555
価格:¥ 660
発売日:2003-11 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
リアルな質感が高い作品  (2008-03-19)
乃南アサ作品を読むたびに物語に「リアル」を感じる。実際によく下調べをしているのだろう。警察の「Nシステム」など本当にあるかは知らないが、さもありそうな仕組みだ。リアル感は風景描写にもあるが、とくに人間心理に強く感じる。主人公の音道や彼女を取り巻く人々の細かな描写まで見事に描けているでの本を読みながら ドラマや映画を観たような感じになれるのが凄い。ストーリーを取り巻くベースがシッカリしているので、安心してのめり込みで読むことが出来た。音道シリーズは世界のサスペンス小説にも引けをとらない出来映え。是非映画化して欲しいものだ。

頑張れ!音道刑事!  (2007-02-18)
乃南アサさんの作品の中でも大好きな音道刑事シリーズ。
今回も、またまたのめり込んでしまいました。
いつも女嫌いの自分よりもずっと年上の年輩刑事とコンビを組んで、苦労している音道刑事。
今回は、いつもとはガラリと変わって若いエリート星野刑事とコンビを組んだので、ちょっとは仕事がしやすくなるのかな?と思いきや、かえってそれが悪い方へと・・・。
現実にも、こんなに女性刑事は苦労しているのかなぁ?と思わせる内容で、もっともっと音道刑事を応援したくなる。
それにしても、あの音道刑事が拉致・監禁されてしまった!

仲間達は音道刑事を捜し出してくれるのだろうか?
この調子で、下巻もきっとあっという間に読んでしまうのだと思う。




ハラハラ、どきどき  (2006-12-01)
 プロローグからどきどきさせられます。音道貴子に何が起きた?どうして連れ去れるはめになったのか?もう先が気になって、気になって、つい下巻を覗き見したくなってしまいました。

 事件そのものも宗教がらみで、4人が惨殺されるというショッキングなもの。地道に捜査をして、どういう風に犯人を追いつめていくのかと思いきや・・・まさか身内に足をすくわれるとは。働く女性なら、多かれ少なかれ、性別を理由に嫌な思いをしたことがあるでしょう。それにしてもこの星野という刑事、時代錯誤も甚だしい。でも、女性を蔑視するかどうかは、年齢に関係ないのです。年配の方でもしっかりやっていることを認めてくれる人もいれば、若くても”女性”というだけで鼻からばかにして相手にしてくれない人もいます。星野刑事は明らかに後者。女は子宮でものを考える的な考えを持った馬鹿者。こんなやつとコンビを組まされた貴子は災難でしたが、そんなことでへこたれるような根性なしではないから、今回も精一杯捜査に全力を注ぎます。

 後半は拉致されてからの貴子の恐怖がじわじわとよく伝わってきます。刑事といえども一人の人間、何度もくじけそうになる貴子を支えていたものはなんだろう。よく、精神的に崩れないものだと感心。音道シリーズを読むと、まるで彼女が実在する人物のように感じてしまうから不思議です。

 早く下巻が読みたい!と思わせる、スピーディーでハラハラさせられる展開です。下巻に期待!

とにかく面白い!  (2005-05-14)
「凍える牙」では颯爽とバイクに乗っていた音道貴子。しかしこの作品では、彼女は犯人に拉致され、常に命の危険にさらされている。鎖にとらわれ身動きできないのは、何も体だけではない。犯人の中にいた中田加恵子は、心に鎖を巻きつけていた。貴子はこの鎖をほどくことが、事件解決の糸口になると確信する。加恵子が貴子を信頼したとき、この心の鎖は解ける。そして、貴子も仲間を信頼していたからこそ極限の状況の中、耐えることが出来た。救出劇は感動的でさえあった。それにしても、星野は最後までいやなヤツだった。

前作あってこその今作  (2004-08-25)
面白かった。それは間違い無い。ただ、それは私が前作『凍える牙』を読んでいたためだろう。こちらだけを独立して呼んだ場合、半分も面白さが伝わらなかったのではないかと思う。別個の物語として見てしまうと、ちょっと評価を下げざるを得ないだろう。

様々な面で今作は『凍える牙』とは対照的だ。今作、音道刑事とコンビを組むのは星野刑事。前作でコンビを組んだ滝沢は、昔気質のベテラン刑事なのに対して、星野は最初こそ良い印象を持たせるものの、自分勝手な面ばかりを見せてくる。また、音道刑事自信も、前作はバイクを駆っての追走劇などで行動的な活躍を見せたのに対し、今作は中盤以降は人質として、そのような活躍の場面は与えられない。

確かに、犯人と人質の関係で、揺れ動く音道刑事の心情、愛人の暴力と優しさによってがんじがらめになっている加恵子の心情など見所は多い。ただ、滝沢の音道刑事への思いなどは、この作品を読んだだけでは理解できないだろうし、上に書いた対比を楽しむということも不可能だ。

その意味で、この作品だけを独自に読んだ場合は、このくらいの評価にせざるを得ない。