カスタマーレビュー
おすすめ度:
馳せる想いは遠い
(2007-09-02)
50pまでは我慢して読んだ。リヒャルト登場からガゼン面白くなってきた。
それまでは、主人公の詩的世界が自然美をえんえんと語ってた。
たしかに美しい描写だが、ちょうど田舎道をえんえんドライブしてるかの様に
睡魔に襲われた。『郷愁』なるほど的確な邦題だった。
ふと、ガキの頃の思い出がよみがえる。自転車でびわ湖一周したっけ。
日の出とともにこぎだし、210kmほどかゴール大津港でボケーと夕日眺めてたっけ…
自動車の圧倒的スピードだと、風景を大量消費する。だから直ぐに忘れちまう。
けど、
自転車なら燃やすのは脂肪だけ。汗だくでペダルを何万回もこいで眺めた映像は
不思議と頭にこびりついてる。あの山肌が好きだった。
陽射しが強いと、流れ行く雲の陰がくっきりと写るあのカンジ。
湖東は風光明媚でまるで水墨画の世界だった。朝もやでうっすら曇るカンジとか。
夕暮れ田んぼ道とか。雪舟みたいだっけなあ…。
200ページ足らず薄っぺらい本だが、馳せる想いは遠い。
PS●田園牧歌調スローライフ小説→『マクリーンの川』ブラピ映画の原作
同じくブラピでナチス登山家の話→『チベットの7年』ハラー
実家に帰りたくなる作品。
(2006-07-14)
「デミアン」でヘッセを知った私にとって、初め、あぁこれもヘッセなのね、と驚いた作品であったのは確か。
しかし世の中のヘッセに対するイメージは、この作品や「車輪の下」、「クヌルプ」といった、ドイツ青年の内面的成長や人生をつづったものなのではないだろうか。
そしてこの作品も、なんて胸にひびくことか。
故郷の静かさや暖かさ、山の美しさと雲の魅力。
田舎で育った人もそうでない人も、心に浮かぶ情景には憧れざるを得ないはずです。
ぜひ読んでみてください。
自分がどうして今いられるか、感謝できる一冊です。
故郷に帰る
(2006-06-07)
都会に飛び出した田舎育ちの青年の話です.
都会では様々な人に出会い,文筆業で身をたてます.
失恋や,身障者とのふれあいを通じて,主人公は成長していきます.
最初は身障者を避けていた彼は,己の小ささを恥じ,身障者と交流を深めます.
しかし,そんな生活も長くは続きません.
そして,彼はひょんなことで故郷に帰ります.
そこで,彼は自分の居場所が故郷であることを悟るのです.
最後まで読むと,じぃんとしました.
若者らしく故郷を飛び出したところから,故郷に帰るまでの成長を追えます.
世界はそれなりに美しい
(2006-04-27)
とても温かみのある作品です。ヘッセの作品の中ではこれが一番好きです。
頑健な身体だけど酒飲みで怠け者で、
才能はあるけどお人よしな田舎の若者が都会でそれなりの仕事をして暮らし、
さまざまなイベントを経てやっぱり故郷に落ち着くという話です。
平易な文章だけど、何とも言えない情感にあふれています。
読み終わると、のんびり満ち足りた気分になると思います。
私はこの本を読み返して、田舎に帰る決意を固めました。
100年経た現在でも通じる思想
(2004-08-21)
時代は20世紀初頭。産業革命以来の近代化の潮流は一層激しく、物質面のみならず人間の精神までその支配下に置き始めていた。山や水、雲や風を生まれながらにして愛する主人公ペーター・カーメンチントは都会での青春の栄光と挫折を経験しながら、やはり自らの本質はその出自である百姓にあることを悟る。ヘッセの近代文明に対する懐疑と反発、そして人間や自然への愛情を基調とした思想は現代にも通じ、ジブリ作品と共通のテーマを有する。叙情作家ヘルマン・ヘッセ27歳の出世作。
おすすめ度:
馳せる想いは遠い
50pまでは我慢して読んだ。リヒャルト登場からガゼン面白くなってきた。
それまでは、主人公の詩的世界が自然美をえんえんと語ってた。
たしかに美しい描写だが、ちょうど田舎道をえんえんドライブしてるかの様に
睡魔に襲われた。『郷愁』なるほど的確な邦題だった。
ふと、ガキの頃の思い出がよみがえる。自転車でびわ湖一周したっけ。
日の出とともにこぎだし、210kmほどかゴール大津港でボケーと夕日眺めてたっけ…
自動車の圧倒的スピードだと、風景を大量消費する。だから直ぐに忘れちまう。
けど、
自転車なら燃やすのは脂肪だけ。汗だくでペダルを何万回もこいで眺めた映像は
不思議と頭にこびりついてる。あの山肌が好きだった。
陽射しが強いと、流れ行く雲の陰がくっきりと写るあのカンジ。
湖東は風光明媚でまるで水墨画の世界だった。朝もやでうっすら曇るカンジとか。
夕暮れ田んぼ道とか。雪舟みたいだっけなあ…。
200ページ足らず薄っぺらい本だが、馳せる想いは遠い。
PS●田園牧歌調スローライフ小説→『マクリーンの川』ブラピ映画の原作
同じくブラピでナチス登山家の話→『チベットの7年』ハラー
実家に帰りたくなる作品。
「デミアン」でヘッセを知った私にとって、初め、あぁこれもヘッセなのね、と驚いた作品であったのは確か。
しかし世の中のヘッセに対するイメージは、この作品や「車輪の下」、「クヌルプ」といった、ドイツ青年の内面的成長や人生をつづったものなのではないだろうか。
そしてこの作品も、なんて胸にひびくことか。
故郷の静かさや暖かさ、山の美しさと雲の魅力。
田舎で育った人もそうでない人も、心に浮かぶ情景には憧れざるを得ないはずです。
ぜひ読んでみてください。
自分がどうして今いられるか、感謝できる一冊です。
故郷に帰る
都会に飛び出した田舎育ちの青年の話です.
都会では様々な人に出会い,文筆業で身をたてます.
失恋や,身障者とのふれあいを通じて,主人公は成長していきます.
最初は身障者を避けていた彼は,己の小ささを恥じ,身障者と交流を深めます.
しかし,そんな生活も長くは続きません.
そして,彼はひょんなことで故郷に帰ります.
そこで,彼は自分の居場所が故郷であることを悟るのです.
最後まで読むと,じぃんとしました.
若者らしく故郷を飛び出したところから,故郷に帰るまでの成長を追えます.
世界はそれなりに美しい
とても温かみのある作品です。ヘッセの作品の中ではこれが一番好きです。
頑健な身体だけど酒飲みで怠け者で、
才能はあるけどお人よしな田舎の若者が都会でそれなりの仕事をして暮らし、
さまざまなイベントを経てやっぱり故郷に落ち着くという話です。
平易な文章だけど、何とも言えない情感にあふれています。
読み終わると、のんびり満ち足りた気分になると思います。
私はこの本を読み返して、田舎に帰る決意を固めました。
100年経た現在でも通じる思想
時代は20世紀初頭。産業革命以来の近代化の潮流は一層激しく、物質面のみならず人間の精神までその支配下に置き始めていた。山や水、雲や風を生まれながらにして愛する主人公ペーター・カーメンチントは都会での青春の栄光と挫折を経験しながら、やはり自らの本質はその出自である百姓にあることを悟る。ヘッセの近代文明に対する懐疑と反発、そして人間や自然への愛情を基調とした思想は現代にも通じ、ジブリ作品と共通のテーマを有する。叙情作家ヘルマン・ヘッセ27歳の出世作。
