◆怖い絵
カスタマーレビュー
おすすめ度:
怖くはないが・・・
(2009-01-04)
アマゾンのお勧めで目に留まる。レビューの評判はすこぶる良い。
早速購入し、年末の雑踏の中、スターバックスへ。ソファに陣取ってパラパラと開いてみる。
読む前に、個人的には名画の裏に隠された画家の怨念や事件の陰謀が隠されているとか、そういった話を期待していたのだが。
…実際にはほぼそんな話はない。言ってみれば名画のちょっと奥に入った解説といった感じだ。作者が『…が怖い。』という文章で結ぶその解説も、そんなに怖いとは思わない。
なぜ怖くないかといえば、ここで取り上げられている絵画の殆どが、個人の事情とは結びつかない、一般的なテーマを扱っているからだ。人間が怖いと思うのは、個人的な怨念や陰謀が、もし自分に向けられたらと思うからこそではないだろうか。
画家が『不気味な絵を描きたい』と思って描いた絵は実はさほど『怖く』はない。隠そうとして隠せない悪意が迸るところに怖さがある。『グラハムの…』にはさほどの悪意は感じないし、逆に『筏』はあからさまなアピールに満ちている。『踊り子』は当時の社会事情がそうだったというだけで、別に怖いわけではない。『ヘンリー八世』の場合は絵がどうこうというよりは、モデル自身が怖いだけだ。
ただ、読み物としては非常に楽しめる。確かに絵は見難いし、作者の指摘する部分が丁度折込で見えない所や、印刷の加減で潰れてしまっている所があって興がそがれるのは否めないが、それでも簡潔で読みやすくまとめられた解説は読者を飽きさせない。
欲を言えば、もう少し解説に深みがあればさらに読み応えがあるものになったはずである。
作者の意図を完全に裏切った出版社
(2008-12-30)
1枚の絵画に漂っている空気や、構図、人物配置、小道具、視線や手足のさりげない動きなどから、秘められた情念や怨念、画家の感情を探っていこうとするユニークな著作であり、読者を誘う作者の筆力には唸らされるが、さて、その出発点である絵画の印刷たるや、仕上がりもレイアウトも劣悪の極みである。これでは作者が注意を促した箇所を確認することは先ず不可能だ。価格設定上、全頁アート紙使用が無理だとすれば、対象となっている絵画だけは前扉に纏める形式を採ってでもアート紙で鮮明に提示すべきである。この書の用紙は4色カラー印刷には全く適していない。現在の版式では作者の意図と読者の期待とを共に完全に裏切っており、この点を反省して改版されない限り、失望に金銭を投じるようなものだ。
せっかくの興味深い話が・・・
(2008-12-10)
私が気になった点をいくつか。
・肝心な絵が本の綴じ込み部分と重なっていてよく見えない。
・文章があまりうまくない。感嘆文が多用されていたり、括弧()を使って著者の気持ちが書かれていたりするのだが、それがものすごく邪魔に感じる。
絵画からいろんな背景を読み取っていくというテーマは、とても良いのにこの文章はあまりにお粗末。
本当に惜しい本です。なので、私は星3つです。
ゾっとする、怖い絵と歴史のウラ、人間の暗部
(2008-11-19)
これは「怖い」。
世界史の中の“名画”といわれる
作品がひそませる、あっと驚くエピソードの数々。
絵の時代背景によって暴かれる、同時代の悪しき実態。
流麗ながらも、切れ味鋭い劔のような文体によって、
絵と画家と同時代の闇と光と、人間のえぐい姿が浮かび上がる。
何もすぷらったな絵がでてくるわけでもなく
(時折ちょっとだけでてきますが)、
『13日の金曜日』のジェイソンや『エルム街の悪夢』のフレディ
もご登場しないのに、心底、確かに“コワ〜い”。
個人的に印象的なのが、カバーを飾っている絵『いかさま師』。
この女性の目つきもこわいけど、彼女の左となりに座っている
“詐欺師な男性”がすごく怖いです。
なぜかというと、500年前の人間とは思えないくらいにリアルなので。
今の世にも、あんな表情した、男、確実にいますよ。。
上品な一冊
(2008-10-06)
どうしても堅苦しく小難しいと感じてしまう西洋美術を
簡潔に、的確に説明してもらえるだけでも有難いが
「恐怖」を切り口とした採り上げ方もまた秀逸。
一歩間違うとナンデモ本になってしまうところ、
インテリジェンス溢れる語り口で
上品な一冊に仕上がっている。
おすすめ度:
怖くはないが・・・
アマゾンのお勧めで目に留まる。レビューの評判はすこぶる良い。
早速購入し、年末の雑踏の中、スターバックスへ。ソファに陣取ってパラパラと開いてみる。
読む前に、個人的には名画の裏に隠された画家の怨念や事件の陰謀が隠されているとか、そういった話を期待していたのだが。
…実際にはほぼそんな話はない。言ってみれば名画のちょっと奥に入った解説といった感じだ。作者が『…が怖い。』という文章で結ぶその解説も、そんなに怖いとは思わない。
なぜ怖くないかといえば、ここで取り上げられている絵画の殆どが、個人の事情とは結びつかない、一般的なテーマを扱っているからだ。人間が怖いと思うのは、個人的な怨念や陰謀が、もし自分に向けられたらと思うからこそではないだろうか。
画家が『不気味な絵を描きたい』と思って描いた絵は実はさほど『怖く』はない。隠そうとして隠せない悪意が迸るところに怖さがある。『グラハムの…』にはさほどの悪意は感じないし、逆に『筏』はあからさまなアピールに満ちている。『踊り子』は当時の社会事情がそうだったというだけで、別に怖いわけではない。『ヘンリー八世』の場合は絵がどうこうというよりは、モデル自身が怖いだけだ。
ただ、読み物としては非常に楽しめる。確かに絵は見難いし、作者の指摘する部分が丁度折込で見えない所や、印刷の加減で潰れてしまっている所があって興がそがれるのは否めないが、それでも簡潔で読みやすくまとめられた解説は読者を飽きさせない。
欲を言えば、もう少し解説に深みがあればさらに読み応えがあるものになったはずである。
作者の意図を完全に裏切った出版社
1枚の絵画に漂っている空気や、構図、人物配置、小道具、視線や手足のさりげない動きなどから、秘められた情念や怨念、画家の感情を探っていこうとするユニークな著作であり、読者を誘う作者の筆力には唸らされるが、さて、その出発点である絵画の印刷たるや、仕上がりもレイアウトも劣悪の極みである。これでは作者が注意を促した箇所を確認することは先ず不可能だ。価格設定上、全頁アート紙使用が無理だとすれば、対象となっている絵画だけは前扉に纏める形式を採ってでもアート紙で鮮明に提示すべきである。この書の用紙は4色カラー印刷には全く適していない。現在の版式では作者の意図と読者の期待とを共に完全に裏切っており、この点を反省して改版されない限り、失望に金銭を投じるようなものだ。
せっかくの興味深い話が・・・
私が気になった点をいくつか。
・肝心な絵が本の綴じ込み部分と重なっていてよく見えない。
・文章があまりうまくない。感嘆文が多用されていたり、括弧()を使って著者の気持ちが書かれていたりするのだが、それがものすごく邪魔に感じる。
絵画からいろんな背景を読み取っていくというテーマは、とても良いのにこの文章はあまりにお粗末。
本当に惜しい本です。なので、私は星3つです。
ゾっとする、怖い絵と歴史のウラ、人間の暗部
これは「怖い」。
世界史の中の“名画”といわれる
作品がひそませる、あっと驚くエピソードの数々。
絵の時代背景によって暴かれる、同時代の悪しき実態。
流麗ながらも、切れ味鋭い劔のような文体によって、
絵と画家と同時代の闇と光と、人間のえぐい姿が浮かび上がる。
何もすぷらったな絵がでてくるわけでもなく
(時折ちょっとだけでてきますが)、
『13日の金曜日』のジェイソンや『エルム街の悪夢』のフレディ
もご登場しないのに、心底、確かに“コワ〜い”。
個人的に印象的なのが、カバーを飾っている絵『いかさま師』。
この女性の目つきもこわいけど、彼女の左となりに座っている
“詐欺師な男性”がすごく怖いです。
なぜかというと、500年前の人間とは思えないくらいにリアルなので。
今の世にも、あんな表情した、男、確実にいますよ。。
上品な一冊
どうしても堅苦しく小難しいと感じてしまう西洋美術を
簡潔に、的確に説明してもらえるだけでも有難いが
「恐怖」を切り口とした採り上げ方もまた秀逸。
一歩間違うとナンデモ本になってしまうところ、
インテリジェンス溢れる語り口で
上品な一冊に仕上がっている。
