大江戸歌舞伎はこんなもの (ちくま文庫) - 和書 - 子供と読む絵本の旅
橋本 治

筑摩書房

グループ:Book /ランキング:34734
価格:¥ 735
発売日:2006-01 /通常24時間以内に発送

カスタマーレビュー
おすすめ度:
’こんなもの’こそ知りたかった  (2008-07-08)
歌舞伎は美しいし、楽しいけど、もしかしたらよく分かっていないのかも・・
という疑問に数々答えてくれた本。

いっそのこと、江戸時代人となって歌舞伎を観たら、ということなのでしょうね。、
生き生きと語られる江戸歌舞伎の世界。
当時の庶民になりきって、朝から始まる歌舞伎小屋、人気次第の一年の演目建て。平和ななかにも、閉じた江戸社会。 芝居で繰り広げられる世界に人々は夢中になっていった。
止むに止まれぬところから出てきた江戸歌舞伎なら、ご都合主義も許されましょう。

これで私も、心置きなく歌舞伎に耽ることが出来ます。

江戸時代人になる  (2007-01-25)
歌舞伎の解説本は多々あるが、橋本治の行っているのは歌舞伎鑑賞のための解説ではなく、歌舞伎を軸に江戸時代人の世界観を再現することである。
江戸歌舞伎において、「世界」と「趣向」、「時代」と「世話」つまり時代背景や空間設定、ストーリー、また登場人物は奇妙にねじれながら結合し作品世界を構築ている。近代以降のリアリズムを理解した私たちにとって、そのSF的作劇は奇妙に映るが、江戸時代人にとっては不思議ではなく歌舞伎とはそういうものであった。
文中で天動説と地動説の違いに例えているように、基盤となる時間の感覚や歴史意識が私たちと江戸時代人ではまず異なっている。そのパラダイムの隔たりを意識し、著者は江戸時代人がどのような世界観をもち、歌舞伎になにを観ていたのか、江戸時代人の視座をもって丹念に説明している。言わば、江戸時代人になってみる、ということである。
その江戸理解は、『ひらがな日本美術史』の江戸編にも存分に発揮され、まさに私たちに江戸「世界」の奥行きを教えてくれる。