曲目リスト
1.Epistrophy
2.South Street Exit
3.Madrig Speaks, The Panther Walks
4.Hypochristmutreefuzz
5.You Don't Know What Love Is
6.Miss Ann
1.Epistrophy
2.South Street Exit
3.Madrig Speaks, The Panther Walks
4.Hypochristmutreefuzz
5.You Don't Know What Love Is
6.Miss Ann
レビュー(Amazon.co.jp)
文字通り晩年(Last Date)の作で、公式アルバムとしては遺作である。ブッカー・リトルやジョン・コルトレーンらとの共演作品でも独特な音使いによる非常に個性的なアドリブを展開する奇才、エリック・ドルフィがオランダを訪れ、現地の優れたジャズ・ミュージシャンらと共演したライヴ録音。
アルト・サックスのほか、フルートなども操るマルチ・リード奏者ドルフィのトレード・マークでもある、バス・クラリネットから始まる「エピストロフィー」の孤高のユーモア感。一方うって変わって美しい音色を聴かせるフルートは、バラード「ユー・ドント・ノー・ホワット・ラヴ・イズ」で堪能できる。ピアノのミシャ・メンゲルベルグもドラムのハン・ベニンクも、後のヨーロッパ・フリー・ジャズ界を背負って立つ逸材だが、ここではドルフィを立てる伴奏が素晴らしい。
ラストにはドルフィの肉声が。「音楽は空(くう)に消え、二度と捉えることは出来ない」と、ジャズの本質を語る。この27日後、ドルフィは祖国に帰ることなく、ベルリンにて死去。(高木宏真)
文字通り晩年(Last Date)の作で、公式アルバムとしては遺作である。ブッカー・リトルやジョン・コルトレーンらとの共演作品でも独特な音使いによる非常に個性的なアドリブを展開する奇才、エリック・ドルフィがオランダを訪れ、現地の優れたジャズ・ミュージシャンらと共演したライヴ録音。
アルト・サックスのほか、フルートなども操るマルチ・リード奏者ドルフィのトレード・マークでもある、バス・クラリネットから始まる「エピストロフィー」の孤高のユーモア感。一方うって変わって美しい音色を聴かせるフルートは、バラード「ユー・ドント・ノー・ホワット・ラヴ・イズ」で堪能できる。ピアノのミシャ・メンゲルベルグもドラムのハン・ベニンクも、後のヨーロッパ・フリー・ジャズ界を背負って立つ逸材だが、ここではドルフィを立てる伴奏が素晴らしい。
ラストにはドルフィの肉声が。「音楽は空(くう)に消え、二度と捉えることは出来ない」と、ジャズの本質を語る。この27日後、ドルフィは祖国に帰ることなく、ベルリンにて死去。(高木宏真)
カスタマーレビュー
おすすめ度:
異界への迷宮を織り上げてしまった深淵の音楽
(2008-02-09)
奇跡の名盤! 単にモダンジャズの名盤という域を超えた、人類の音楽史上の比類ない一つの遺産。
"You Don't Know What Love Is"、フルートのフレーズが駆け上がると共に、異界の音空間が出現する。
神秘的な即興の歌が安らぐと、よく知られたテーマで落ち着くけれど、
すぐに、深淵の鳥めいた異様なアラベスクが、ドルフィーの過去の演奏を集約して、
それを超える鮮烈さで、果てしない音の迷宮を織り上げる。
ジャズ音楽においてだけでなく音楽全般にとっての、それは一つの奇跡だった。
クラシックの近現代音楽にも造詣が深かく、
前衛フルート奏者ガッゼローニとも親交のあったドルフィー。
この演奏は、ドビュッシー『牧神の午後…』やラヴェル『ダフニスとクロエ』、
ストラヴィンスキー『春の祭典』、メシアン『世の終わりの四重奏』など、
近現代音楽の、享楽のコアがジャズの音空間で即興的に昇華され結晶したような
奇跡的なフルート四重奏、とも言える。
アルバム冒頭の、バス・クラによる"Epistrophy"もまた、
低音木管楽器の拘束を、その限界に導くことでのみ現出する、
音楽のリアルがある。
それはまた、『春の祭典』冒頭のファゴットの奇跡と競い合う。
これがドルフィーの遺作となったことは、音楽の人類史にとって残念すぎる。
劇的なドルフィーの最期の象徴
(2006-09-09)
エリック・ドルフィーの才能についてはさまざまな意見があるだろう。フリージャズにも加担しながら一線を画し、モードでもバップでもない不思議な世界を飛翔したサックス奏者だった。コルトレーン、ミンガスとの共演では、主役に負けないくらいの個性を発揮し、灰汁のあるアルトサックスやバスクラリネットで周囲を圧倒する。かと思えばフルートでの見事な美しく素直な表現はジキル博士とハイド氏かと思っていしまう。そんなドルフィーのラストレコーディングがこれまた劇的過ぎる。まさに悲劇の天才として彼の残像が消えることはないほど強烈なアルバムである。初心者にはあまりお奨めできないが、いずれ避けては通れないジャズの一つの姿なのだといえるだろう。
40年の月日を経ても色褪せない名作
(2006-01-09)
しばしば最高傑作とも評される、孤高の天才マルチ・リード奏者エリック・ドルフィーの遺作(1964年録音)。
チャーリー・パーカーを敬愛しながらも、全く独自のスタイルを確立したドルフィーの作品はどれも一聴の価値があるが、中でも本作は特に強い魅力に溢れている。1曲目の「エピストロフィー」の印象的なバスクラの演奏に始まり、最後の「ミス・アン」まで一気に聞かせてしまうドルフィーの演奏力・構成力は、まさに驚嘆の一言である。
ジャズという狭い枠組みを超えて多くの人々に訴えかける音楽を作りつづけた異邦人エリック・ドルフィー。そんな彼の魅力が詰まったこのCDは、ジャズ・ファンはもとより、ジャズに否定的な印象を持つ人にこそ聞いてもらいたい。
評価/100点中85点
Eric Dolphy(alto sax,flute,bass clarinet)
Misha Mengelberg(p)
Jacques Schols(b)
Han Bennink(ds)
Dolphyの白鳥の歌
(2005-05-17)
この演奏の約一ヵ月後に亡くなるとは信じがたいDolphy畢生の名演である。バスクラ、アルト、フルートの演奏全て素晴らしいが、やはり"You Don't Know What Love Is"のフルート演奏は慄然とする美しさであり、本盤のハイライトと言ってよいだろう。そしてDolphyの遺品のフルートはColtraneに受け継がれた。何ともドラマチックな話ではないか。Dolphyの肉声による泣かせる名セリフに加え、共演者のメンゲルベルクやベニンクが真っ当な演奏で、フリー/アバンギャルドな部分があまり感じられないのも、本作が多くのリスナーに支持される理由である。Dolphyの最高傑作としてはリスナーの嗜好によって、Five Spot、Out to Lunch、あるいは本作とわかれるところであろうが、いずれにしてもDolphyのベスト3には必ず入る名盤である。素晴らしい。
ドルフィの最高傑作
(2004-12-11)
ここには最良のドルフィのほとんど全てが凝縮されている。あまり派手な演奏ではないが、聞くほどに、凄い深みが感じられるようになるだろう。評判にだまされて「Out to Lunch」を買った人も、これを聴いてみて欲しい。あらゆるジャズ演奏の極北だ。
おすすめ度:
異界への迷宮を織り上げてしまった深淵の音楽
奇跡の名盤! 単にモダンジャズの名盤という域を超えた、人類の音楽史上の比類ない一つの遺産。
"You Don't Know What Love Is"、フルートのフレーズが駆け上がると共に、異界の音空間が出現する。
神秘的な即興の歌が安らぐと、よく知られたテーマで落ち着くけれど、
すぐに、深淵の鳥めいた異様なアラベスクが、ドルフィーの過去の演奏を集約して、
それを超える鮮烈さで、果てしない音の迷宮を織り上げる。
ジャズ音楽においてだけでなく音楽全般にとっての、それは一つの奇跡だった。
クラシックの近現代音楽にも造詣が深かく、
前衛フルート奏者ガッゼローニとも親交のあったドルフィー。
この演奏は、ドビュッシー『牧神の午後…』やラヴェル『ダフニスとクロエ』、
ストラヴィンスキー『春の祭典』、メシアン『世の終わりの四重奏』など、
近現代音楽の、享楽のコアがジャズの音空間で即興的に昇華され結晶したような
奇跡的なフルート四重奏、とも言える。
アルバム冒頭の、バス・クラによる"Epistrophy"もまた、
低音木管楽器の拘束を、その限界に導くことでのみ現出する、
音楽のリアルがある。
それはまた、『春の祭典』冒頭のファゴットの奇跡と競い合う。
これがドルフィーの遺作となったことは、音楽の人類史にとって残念すぎる。
劇的なドルフィーの最期の象徴
エリック・ドルフィーの才能についてはさまざまな意見があるだろう。フリージャズにも加担しながら一線を画し、モードでもバップでもない不思議な世界を飛翔したサックス奏者だった。コルトレーン、ミンガスとの共演では、主役に負けないくらいの個性を発揮し、灰汁のあるアルトサックスやバスクラリネットで周囲を圧倒する。かと思えばフルートでの見事な美しく素直な表現はジキル博士とハイド氏かと思っていしまう。そんなドルフィーのラストレコーディングがこれまた劇的過ぎる。まさに悲劇の天才として彼の残像が消えることはないほど強烈なアルバムである。初心者にはあまりお奨めできないが、いずれ避けては通れないジャズの一つの姿なのだといえるだろう。
40年の月日を経ても色褪せない名作
しばしば最高傑作とも評される、孤高の天才マルチ・リード奏者エリック・ドルフィーの遺作(1964年録音)。
チャーリー・パーカーを敬愛しながらも、全く独自のスタイルを確立したドルフィーの作品はどれも一聴の価値があるが、中でも本作は特に強い魅力に溢れている。1曲目の「エピストロフィー」の印象的なバスクラの演奏に始まり、最後の「ミス・アン」まで一気に聞かせてしまうドルフィーの演奏力・構成力は、まさに驚嘆の一言である。
ジャズという狭い枠組みを超えて多くの人々に訴えかける音楽を作りつづけた異邦人エリック・ドルフィー。そんな彼の魅力が詰まったこのCDは、ジャズ・ファンはもとより、ジャズに否定的な印象を持つ人にこそ聞いてもらいたい。
評価/100点中85点
Eric Dolphy(alto sax,flute,bass clarinet)
Misha Mengelberg(p)
Jacques Schols(b)
Han Bennink(ds)
Dolphyの白鳥の歌
この演奏の約一ヵ月後に亡くなるとは信じがたいDolphy畢生の名演である。バスクラ、アルト、フルートの演奏全て素晴らしいが、やはり"You Don't Know What Love Is"のフルート演奏は慄然とする美しさであり、本盤のハイライトと言ってよいだろう。そしてDolphyの遺品のフルートはColtraneに受け継がれた。何ともドラマチックな話ではないか。Dolphyの肉声による泣かせる名セリフに加え、共演者のメンゲルベルクやベニンクが真っ当な演奏で、フリー/アバンギャルドな部分があまり感じられないのも、本作が多くのリスナーに支持される理由である。Dolphyの最高傑作としてはリスナーの嗜好によって、Five Spot、Out to Lunch、あるいは本作とわかれるところであろうが、いずれにしてもDolphyのベスト3には必ず入る名盤である。素晴らしい。
ドルフィの最高傑作
ここには最良のドルフィのほとんど全てが凝縮されている。あまり派手な演奏ではないが、聞くほどに、凄い深みが感じられるようになるだろう。評判にだまされて「Out to Lunch」を買った人も、これを聴いてみて欲しい。あらゆるジャズ演奏の極北だ。
