ミロスラフ・ヴィトウス(演奏)
ロイ・ヘインズ(演奏)
EMIミュージック・ジャパン
グループ:Music /ランキング:90053
価格:¥ 1,835
発売日:1995-04-26 /只今品切れ中
1.ステップス-ホワット・ワズ
2.マトリックス
3.ナウ・ヒー・シングス
4.ナウ・ヒー・ビーツ・ザ・ドラム
5.ザ・ロウ・オブ・フォーリング・アンド・キャッチング
おすすめ度:
フュージョンの傑作
名盤「リターン・トゥー・フォエーバー」の前駆的作品。すぐにチック・コリアと分かる独特で新鮮なタッチのピアノは、当時のジャズ界にショックを与えた。スタンダードの名曲「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ」も主旋律を隠すように演奏、チック独自の世界を聴かせる。一番の聴き物は5曲目のチックのオリジナル曲「ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス」この盤より「リターン・トゥー・・・」が有名になり、全世界で百万枚 以上を売り上げたが、今聴くとこのアルバムのほうが新しさを感じる。それは旧来のジャズとフュージョンが融合している趣があるからだ。フュージョンと呼ばれるジャンルのジャズは、今聴くと古びて陳腐なものもあるが、この一枚は別格。時々聴きたくなる一枚。(松本敏之)
やはり一期一会だった
とても人気のあるピアニスト、チック・コリア(pf)が生んだ最高傑作が本作品「Now He Sings, Now He Sobs」であると思う。
1968年の録音なので、その後の彼を評価していないように見えてしまうカモ知れないが、日本人が制作したアブストラクトな「Circle」での熱演や、ECMに残した「Piano Improvisations Vol.1 and Vol.2」の美しさもこよなく愛している。
でも、やはり「Now He Sings, Now He Sobs」には敵わないと思う。
その中でも「Steps-What Was」で、5:00頃からのロイ・ヘインズ(ds)ドラムソロに続き、待ちかねたように、チック・コリアとミロスラフ・ヴィトウス(b)が7:33頃から登場する。この辺りには何時聴いてもゾクゾクとしてしまいます。ベーシストの熱演が光る。
完璧なテクニックとイマジネーションの合体
チック・コリアがビル・エバンス以後のピアニストの中で最高のテクニシャンであることに異論を挟む余地はないであろう。チックに並ぶのはキース・ジャレットくらいで、ハービー・ハンコックもマッコイ・タイナーも少しばかり及ばない。そんなチック・コリアのキャリアの中でもこのアルバムは彼のピアニストとしての凄みを見せつけ、その評価を決定付けた傑作である。後にリターン・トウ・フォーエバーでどれほどのヒットがあろうと、ピアニストチック・コリアにとってナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブスこそ代表作なのだといえる。というのも、初めて聴いたときの印象が強烈過ぎて、これほどのスピードでよどみないタッチのピアノが弾けること自体が信じられなかったからだ。しかも、リズムセクションの新人のヴィトウスのベースがこれまた信じがたいテクニックであり、ロイ・ヘインズもベテランの境地どころかヴィトウスやチックに一歩も引けを取らない若々しく、アグレッシブなプレイを展開している。3人の一糸乱れぬコンビネーションとチック・コリアのインプロビゼーションの創造性によって、完璧なテクニックとイマジネーションの合体が見事に実現した名盤である。
ロイのドラムもよく聴いて!!
このアルバムの中でよく話題にされるのがマトリックスだと思われるが
一曲目のステップスホワットワズも甲乙つけがたい出来と思う。チックの
粒立ちのよいタッチ、時々見せるフリーの顔、新しい感覚でベースを鳴らす
ビトウス。ただここで忘れてはいけないのがロイのドラム。ドラムソロの後のプレイはすごい!!。(8分前後からベースソロまでのあいだ)彼のドラムがチックをぐいぐい押しているように思えてなりません。なかなか聞き取りにくいですけど耳をすまして聴いてください。過小評価のロイのドラムが
いかにすごいかを聴いてみてください。
ピアノ・トリオに新時代を告げた傑作
キーボードも嗜み,今やジャズにさほど興味のない人でも名前くらいは知っているジャズ演奏家の代表格となったチック・コリア。そんな経歴にもかかわらず巨匠として珍重されている理由の大半は,1968年に発表された,このあまりに衝撃的な出世作の賜物である。
本盤はもともと,LP2枚に分けて発売された。しかし,CD化の際に完全版にまとめられている(完全版でないものもあるので,注意)。専門化が進んだ今でこそ,苦もなく急速調を弾き仰せるピアノ弾きは珍しくないが,本盤が出た当時,これほど円く軽いタッチで,淀みなく急速調を弾きこなすピアノ弾きは皆無であり,本盤を耳にした全てのリスナーは驚愕し瞠目したものであった。
15分近くに渡って超絶技巧の限りを尽くし,壮大な二幕の抒情詩を!展開する⑥を筆頭に,全編を支配する壮大なコンセプション。現代のピアニストの技巧水準と比べても見劣りしない超絶的なテクニック。それらが,この若き逸材の輝かしい才能の煌めきを高らかに謳う。鞭のようにしなやかに,そしてシャープに寄り添うロイ・ヘインズの太鼓と,スリリングにピアノと絡み合うヴィトウスのベースがまさしく三位一体となり,些かも中だるみすることなく,主役の意匠に的確な輪郭を付与する。三者の相互供応は巨大な統一感を生成し,聴き手の耳へと押し寄せる。そのスリルと輝きは四半世紀を経過した今なお,些かも失われることなく,ジャズ・トリオの一つの理想型を指し示しているのである。
