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オモシロイ
とても興味深く読んだ。ある意味、近代文学至上主義者のアジ本と言おうか。
たしかに議論の仕方が恣意的というか鵜呑みにできないところもある。中心テーマであるはずの「ネットが大隆盛なので、英語が世界を席巻して日本語が亡びる」という話も極端に思えるし、「学校教育では近代文学をとにかくしっかりと読ませるように」という部分も心情的には納得するし、引用されている旧仮名の文章も味わい深いとは思うのだけれど、やはり論拠が弱い気がしたし、日本語の書き言葉がいかにすばらしいか(いかに表音文字にまさっているか)という話も、決定的なポイントは出そうで出てこなかったように思う(結局「いいものはいい」と言っているように聞こえた)。近代文学なら何でもいいと言わんばかりだが、著者が「問答無用」に絶賛する『浮雲』など、いまそれほど読む必要があるのかどうか……。 だが、少なくとも本書は雑学的にはオモシロイし、それだけでなく、作家らしく読者を飽きさせないように書かれていると思った。漢字仮名交じりの日本語の書き言葉がいかにして確立したかというあたりの話など血湧き肉躍るし、一章も魅力的なエッセイだ。喩えも面白く、最終章にあった朔太郎の「ふらんすへ行きたしと思へども……」を口語体にしたら「JRの広告以下」というところなど紅茶噴いた。日本語の書き言葉のすばらしさについても例証が甘いと思いつつも著者の情熱にのせられて「日本語守らねば!」という気持ちになった。 ともあれ、いろんな話が詰まった一冊で、勉強になったことは間違いない。異論は浮かぶかもしれないが一読の価値はあると思う。 |
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日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で 水村 美苗 筑摩書房 おすすめ度: 価格: ¥ 1,890 円 (税込み) |









