エッセー・随筆 - 和書 - 子供と読む絵本の旅
随筆のタイトルからして魅力的  以前、内田百鬼園の年表を見た際、いつノラを飼いだして、ノラが失踪したかということがきちんと書いてあって笑ったことがある。(ノラ失踪後の百鬼園の悲しみぶりは、黒澤明が映画「まあだだよ」でもメイン・エピソードとして描いている。役者もそっくりなので、見てない方は一度どうぞ。)

 僕にとっての百鬼園の随筆の魅力は、彼の人生の大部分を覆った借金苦や東京大空襲で焼き出された後の小屋住まいなど、決して順調に進んだ訳ではない日々の生活を、飄々と持ち前のユーモアでやり過ごしていくエピソードの数々にある。その分厚いユーモアの奥底には、何か得たいの知れない達観やシブトサさえ感じられるのだ。同時代の文学者が必ず書いた「女との恋愛」ではなく「猫への溺愛」を描く。東京大空襲には単に見物根性で最後まで付き合い、その見物記を本に纏める。(そこには戦後突然現れた反戦文学の要素など全く無い。)

 薄っぺらいヒューマニズムやロマンチシズムとは次元の違うその感性は、全く不良ぶってはいないのに、実は徹底的に「無頼」ですらある。(この本の解説で、吉田茂(!)と犬猫談義をやった際の話が紹介されるが、そのエピソードからは彼のドライな人間観が読み取れる。)でも、出来上がった随筆は非常に軽妙で、温かな「天然」の味が心地よい。そこが、僕に取っての彼の文章の魅力である。

 この随筆集はそんな彼が齢70を過ぎて溺愛した二匹の猫に対する思いを綴ったものであり、猫を失ってからの慟哭を綴ったものだ。

「ノラや」
「ノラやノラや」
「ノラに降る村しぐれ」
「ノラ未だ帰らず」

 タイトルを見るだけで、彼の猫に対する愛が伝わると思う。ノラとクルを巡るエピソードは百鬼園という不思議な文学者の一面しか見せてくれないはずなのだが、確かにその一面だけでも十分魅力的だ。読んだことのない方は、この本をきっかけに、是非他の文章も読んでみてください。
ノラや (中公文庫)   ノラや (中公文庫)
内田 百けん
中央公論新社
おすすめ度:
価格: ¥ 760
円 (税込み)
すばらしい本です。  美輪明宏さんの本の中でも特に好きな本です。
 美輪さんの本は、人としてどうあるべきかということが本質を突いて書かれている本が多く、読むといつも心が洗われます。特にこの本は、言葉が自分の中に入ってきやすいためよく読むことが多いです。
 日常のなかで忘れてしまうことを思い出させてくれ人に優しく出来ます。
愛の話 幸福の話   愛の話 幸福の話
美輪 明宏
集英社
おすすめ度:
価格: ¥ 1,575
円 (税込み)
気持ちが荒れそうになると、読み直します  本書は、「働き方」が変わることで世界が変わる可能性があるのではないか、と考える著者が、素晴らしい仕事をしている方々の働き方を訪ねた報告書です。
 私は、日々の仕事に追われて気持ちがざらざらしてきたときに、何度も読み直して気持ちを立て直しています。
 こんなに物にあふれているのにちっとも満たされない私たち…。著者は、「建売住宅の扉は、開け閉めのたびに薄い音を立てながら、それをつくった人たちの『こんなもんでいいでしょ?』という腹のうちを伝える。…『こんなものでいい』と思いながらつくられたものは、それを手にする人の存在を否定する」と言います。
 本書で触れた方々の生き方を読むだけで、心がしゃんとしてきます。
自分の仕事をつくる   自分の仕事をつくる
西村 佳哲
晶文社
おすすめ度:
価格: ¥ 1,995
円 (税込み)
秘められた深い悲しみ  
 ユダヤ人ゲット、トルチェッロのモザイクの聖母像、<治療の見込みのない病人>、コルティジャーネ(高級娼婦)、レデントーレ…。
 在りし日の友人たちの思い出に導かれながら須賀敦子が描き出したヴェネツィアは、一般的なガイドブックが伝えるヴェネツィアとは、だいぶ趣を異にする。彼女のヴェネツィアを一言でいえば「深い悲しみと慰めの場所」。じつは、彼女が人生の一番辛い一時期をどうすることもできずに無為に過ごした場所が、ヴェネツィアであった。ここに表象されたヴェネツィアは、彼女自身の心象風景でもある。
 
地図のない道 (新潮文庫)   地図のない道 (新潮文庫)
須賀 敦子
新潮社
おすすめ度:
価格: ¥ 380
円 (税込み)
沢木作品の中で唯一手元に残した本です 1年掛けて、大陸を貧乏旅行する経験自体は、良いことだと思うのですが、沢木節よろしく「だから俺は、他の若い奴より偉いんだ」的な態度には苦笑してしまいました。
でも、読み物としては面白いです。入社試験時の敵前逃亡に対し、もっともらしい言い訳をする所は「自分には優しい人なんだなぁ」と人間、沢木耕太郎さんを見た思いがして、良かったですね。バックパッカーやった奴が偉らいなら、日本で義務化すれば良い。とおもわせる逸品です。
読み物としては、面白いのでオススメです。
深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)   深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
沢木 耕太郎
新潮社
おすすめ度:
価格: ¥ 420
円 (税込み)
素晴らしい食の物語。 個人貿易商の主人公が行く先々で
ただひたすら、淡々と店に立ち寄って
食す、ただそれだけなのに
そこにある人情、風情、土地柄、孤独
までも感じてしまう
名作でございます。

グルメ系の漫画は兎に角、リアクションが大袈裟だったりしてわたくし
苦手なのですが
これはその大袈裟さが無く
落ち着いて読めます。
まさに大人の為の食漫画、です。

しかし主人公が思いのほか
食べたいものにありつけていない(ライスが無かったり)
のはご愛嬌でしょうか。
そして和菓子屋での豆かんは異様なまでのリアリティを誇っております。
是非ご堪能くださいませ。


孤独のグルメ (扶桑社文庫)   孤独のグルメ (扶桑社文庫)
久住 昌之
谷口 ジロー
扶桑社
おすすめ度:
価格: ¥ 630
円 (税込み)
そんなに人に会って、どうするの?  そろそろ回想録を……、と提案されて、著者は考えました。
 ジャーナリストとして歩んできた自分は、何かを成し遂げてきたわけではない。むしろ、いろいろな形で「弥次馬」として関わってきた他人様を書くことで、かえって自分を表現できるのではないか、と。
 といっても、交友関係は広く、語るべき取材対象も多岐にわたっている著者ですから、取りあげたい人を全て書いていたら、いったいいつ終わるのかわからなくなります。本書執筆に当たって決めた方針は、「一業種一人」という制限です。
 ですから、「ニュース23」のエンディングテーマを作曲して歌ってくれた井上陽水も、朝日新聞社内で認め合った“畏友”石川真澄も、他の人物のエピソードの一部に登場するだけです。筑紫ファンには若干もの足りない気もしますが、確かにこの一冊を読めば、著者の歩んできたジャーナリスト人生、反体制的な生き方が俯瞰できます。著者の意図通りといってよいでしょう。

 私があらためて感じたのは、筑紫氏の文章の魅力の一つは詩的表現にある、ということでした。
 なかでも、絶筆『我、拗ね者として生涯を閉ず』の完成を目前にし、壮絶な最後を遂げた本田靖春氏を追悼した文章は、読者の心に染みる、魅力に満ちた文章でした。

 笑っちゃったのが、忙しすぎる小澤征爾を心配して、本人に言っても通じないからと家族に言ったら、娘の征良さんに笑われたそうです。
  「その通りだけど、あなたが言うのはどうかと思う」と。

   もっと笑っちゃうのが、しばらくしてから、同じ征良さんから言われた言葉。
   「だれの言うことも聞かない。
    言ってもらえるのはあなたぐらいしかないかも」

 それにしても、仕事とはいえ膨大な取材相手と接触して、よく人間嫌いにならないものです。
 同じ感想を抱いた視聴者からの言葉、
   「人あたりしませんか?」
に同感しました。
旅の途中―巡り合った人々1959-2005   旅の途中―巡り合った人々1959-2005
筑紫 哲也
朝日新聞社
おすすめ度:
価格: ¥ 1,890
円 (税込み)
読むと、元気が湧く本です。 不景気だし最近いいことないな、誰かに肯定されたいな、と思ったので「そうだ、日本と日本人を褒めてる本を読もう!」と思い、読んだ1冊。目的達成。シュリーマンに褒め倒され、元気になりました。
でも、今の私たちじゃなくて幕末時の日本人を褒めてるだよな、と思うと反省のほうが多い。この頃の日本人と今の日本人は別ものです。それが何故かはもちろんこの本に書いてないし、この本の感想にはならないのでパスしますが、二十歳以上ならば各々考えてみたほうがいい。

ところで、この本をタイムマシンと書いている方がいますが、その通りです。当時の日本人の生活や風俗をとても生き生きと描いている。
とは言え、観察者が外国人であるため首を傾げる記述もあり、江戸期がかなり遠くなったことから事象のアレコレが少しわかりにくかったりもします。求めるものが「理解」であるなら、幕末期や江戸風俗について書かれた本を並列して読み進めることを勧めます。

翻訳ものとしてはとても読みやすい、平易な文章なので、歴史好きならばオススメです!
シュリーマン旅行記清国・日本 (講談社学術文庫 (1325))   シュリーマン旅行記清国・日本 (講談社学術文庫 (1325))
H.シュリーマン
石井 和子
講談社
おすすめ度:
価格: ¥ 840
円 (税込み)
今こそ読まれるべき本  日本の夜は明るすぎる、と谷崎潤一郎が『陰翳礼賛』で嘆いたのは昭和8年のことだ。現代と比べたらさぞ暗かったろうと思われる時代である。
 谷崎は単に明るすぎるのを嫌ったわけではない。ロウソクなどの柔らかな灯と、それがつくる陰が日本の文化であり、その文化が消えていく(あるいは変質する)のを憂えたのだ。
もっと言うならば、谷崎は灯火を暗喩に用いて、西洋文明を無条件に導入してきた日本人のあり方を疑問視しているのである。
 「谷崎は実際には明るい家をつくった」などと的外れなことを述べて得意がっている輩がいるが、自分の知性の低さを公表しているようなものだ。

陰翳礼讃 (中公文庫)   陰翳礼讃 (中公文庫)
谷崎 潤一郎
中央公論社
おすすめ度:
価格: ¥ 500
円 (税込み)
「引き寄せの法則」の物語 著者(ヒックス夫妻)「エイブラハムとの対話」などの引き寄せの法則を
少女サラとふくろうのソロモンの会話形式で分かりやすく書いた物語です。
日常生活で、いやな事に意識を向けているサラに対して、
ソロモンは常に自分が望むこと、愛しく思うことに意識を集中するように教えます。
ソロモンとの会話を通じて、サラが生き生きと成長していく様子がうかがえます。
そして、自分自身をサラに置き換え、ソロモンとの会話を楽しめる本だと思います。
私は、引き寄せの法則を何冊も読んでいますが、「サラとソロモン」は読みやすく、
物語としても楽しいので、幅広い年齢層にお勧めできると思います。
サラとソロモン―少女サラが賢いふくろうソロモンから学んだ幸せの秘訣   サラとソロモン―少女サラが賢いふくろうソロモンから学んだ幸せの秘訣
Esther Hicks(原著)
その他
ナチュラルスピリット
おすすめ度:
価格: ¥ 1,890
円 (税込み)
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