伝承・神話 - 和書 - 子供と読む絵本の旅
大人も楽しめます  イソップのような短くて単純な(理解しやすい)お話も
たくさん入っていますが、中には深い知恵を
含んだ寓話もあるようです。

 私の気にいった中から一つだけ(説教壇のホジャ)をご紹介させていただきます。
 トルコにホジャという有名な説教者がいました。 
 ある日、説教壇から聴衆に向かって「皆さん、これから私の話す話がわかりますか?」と問いました。
 年長の信者が「聴く前からわかるはずがない」と言うと、ホジャは「あなたがたが知らないことを私が話しても意味がありません」と言い帰ってしまいました。
 彼は次週の説教の前にもまた同じことを問うので、今度は数人が「あなたの語ることは知っています」と答えると彼は「知っていることを話しても意味がありません」と帰ってしまいました。
 お話はここまでですが、読み終わって読者の私は
ホジャは何が言いたいのかと今も考えさせられています。

 おまけに、「説教壇のホジャ」の別バージョンも
収録されています。(それを読んでも明確な模範回答はなく、
読んだ人に自由に考えることができます)

 ただし、あまりにも有名な童話ものっているため、
パスしてしまったお話もあります。
365日のベッドタイム・ストーリー―世界の童話・神話・おとぎ話から現代のちょっと変わったお話まで   365日のベッドタイム・ストーリー―世界の童話・神話・おとぎ話から現代のちょっと変わったお話まで
Christine Allison(原著)
その他
飛鳥新社
おすすめ度:
価格: ¥ 2,940
円 (税込み)
世界に誇れる研究 別件で調査中にたまたま手に入れることになった一冊。
しかしながら読み出したら夢中になってしまったことを白状する。
「ハーメルンの笛吹き男」は、実際にあった子供たちの集団失踪事件がモデルにあるという意味で、他の童話とは一線を画すムードが高い。
そのせいか、かれこれ400年ほど、この話に絞った研究がどっさりあるのだ。

本書は、そういった研究を概観することができるうえ、ドイツの古文書を徹底的にあさった経験とスキルを持つ著者による考察がついており、非常に優れた内容である。

本当に面白いので、この話に興味があるならば必読というだけでなく、読み物としても推奨したい。
ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)   ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)
阿部 謹也
筑摩書房
おすすめ度:
価格: ¥ 756
円 (税込み)
中空構造と中心統合構造の両輪 本書は日本人の心を解明するために、その源泉である古事記を心理学的に解釈する。
アマテラスの引きこもりをイニシエーションとして捉える。アメノウズメ、サルタヒコとの
関連はとても興味深く読めた。また、スサノオのイニシエーションも説く。それに成功した
スサノオがアマテラスの座を奪うことはなく、戦いによって得た剣を献上する。
このふたりの神の関係性が日本人の心の源泉となっている。多神教であり、ゆりもどしを
そなえたバランス性。問題は捨てられたヒルコの存在である。
とても面白いのは、バブル経済についての心理学的な記述。エゴ・インフレーションか。
バブルは崩壊し、デフレへ。エゴ・デフレーションか。ひきこりか。
いまの日本人はこのイニシエートを成功させることはできるのだろうか。
新自由主義に飛びつき、経済は回復したかに見えた。しかし、われわれは格差社会を
もたらした。これは成功だろうか。
河合氏のいうように、中心統合構造は必要であろう。しかし、ことはそう簡単ではないよう
だ。われわれはいま、日本人的な心性を失おうとしてはいないだろうか。アクティング・
アウトになってしまってはいないだろうか。
日本人の心性を失わず、それを尊重し、なおかつ、新たな自我を形成していくこと。本当に
難しく思える。じっくりと容器のなかで抱えていく必要があるのではないだろうか。
神話と日本人の心   神話と日本人の心
河合 隼雄
岩波書店
おすすめ度:
価格: ¥ 2,625
円 (税込み)
非常にわかりやすい 神話については素人ですが、平易な表現で読みやすかったです。
神話も全体的にわかり、知識が深まりました。

ただし、気になった点が2つあります。
1つは、指示代名詞が多いこと、もう一つは内容が薄いことです。
まず、指示代名詞が多い件ですが「あれ」「これ」「それ」が多く、簡単な国語のテストのようでした。
次に、内容の薄さですが入門書とはいえあまりに浅薄な部分があります。
一般教養として神話を学びたいのであれば問題はありません。
私的には全体的にもう少し突っ込んだ話がほしかったです。
日本人なら知っておきたい古代神話 (KAWADE夢新書)   日本人なら知っておきたい古代神話 (KAWADE夢新書)
武光 誠
河出書房新社
おすすめ度:
価格: ¥ 756
円 (税込み)
水木しげる 世界の妖怪大百科   水木しげる 世界の妖怪大百科
水木 しげる
小学館
おすすめ度:
価格: ¥ 1,050
円 (税込み)
娯楽としてなら 時代や地域の枠組みを超えたドラゴン解説書。
古くは紀元前の伝承から、新しいものではル=グウィンの「Earthsea」やハリウッド映画「ドラゴンハート」にまで触れている。
各ドラゴンが生まれた時代背景、及び思想背景についての考察はとても面白い。

しかし、間口の広さに反して情報は偏りがち。
西洋に比べてオリエントが弱いし、全体を占める挿絵の比率が高い。
資料や参考書としてはやや不足気味だ。
そういった方面をお求めであれば、「幻獣ドラゴン」をお勧めしたいところ。

心理学者が着目するほど人間の精神面と深い関わりを持つ存在、竜。
その奥深さの一端を本書で感じてみては如何だろうか。
ドラゴン (Truth In Fantasy)   ドラゴン (Truth In Fantasy)
久保田 悠羅
F.E.A.R.
新紀元社
おすすめ度:
価格: ¥ 1,890
円 (税込み)
妖精たち  ケルトの妖精について語らせたら日本一と思われる井村氏が、妖精についてなんとなくまとめてみた一冊。
 前半は、妖精の起源や分類。用語についても事典的にまとめられている。後半は、口承、文学、絵画、演劇などにあらわれた妖精について。
 全体を通して感じられるのだが、持ち出される妖精の種類や文学作品が非常に恣意的で、相互のつながりがない。どうしてこれが選ばれたのか、良く伝わってこないのである。「妖精学」を確立しようという意気込みは表明されているのだが、各節・各材料の位置づけ、意味が分からない。
もう少し、しっかりした仕事をして欲しいものだ。
妖精学入門 (講談社現代新書)   妖精学入門 (講談社現代新書)
井村 君江
講談社
おすすめ度:
価格: ¥ 840
円 (税込み)
アイヌの昔話 (ちくま学芸文庫)   アイヌの昔話 (ちくま学芸文庫)
稲田 浩二(編集)
筑摩書房
おすすめ度:
価格: ¥ 1,260
円 (税込み)
話し方のポイントつき 著者はシュタイナー教育を実践するみねまち幼稚園の元学園長です。
あとがきによれば、人形劇・お話の分野の研究には特に力を注いだとあります。
また、全体のポイントとしてお話や劇の前にムード作り(演出)として、ローソクを灯したり、
グロッケン・シュピール(鉄琴)やキンダー(幼児用)・ハープなどの澄んだきれいな音のする
楽器を用いるとよいと添えられています。
なじみのある桃太郎や一寸法師をはじめ、子供が飽きない長さとわかりやすい口語文で構成
されています。子供に親しい人が暗唱して素話するのがきっと一番なのでしょうね。
「親と子の心をつなぐ-世界名作おはなし玉手箱」と姉妹書。
親と子の心をつなぐ日本名作昔ばなし   親と子の心をつなぐ日本名作昔ばなし
斎藤 チヨ
鈴木出版
おすすめ度:
価格: ¥ 1,575
円 (税込み)
名作の数々 すごいです。なにがすごいかって、作品それぞれの格調の高さがです。
大変面白く、読んでいて全く飽きません。
長編小説が苦手な人にはおすすめです。
それと、小泉八雲さんの名前が素敵です。
おすすめします。
怪談・奇談 (講談社学術文庫―小泉八雲名作選集)   怪談・奇談 (講談社学術文庫―小泉八雲名作選集)
平川 祐弘(編集)
講談社
おすすめ度:
価格: ¥ 1,418
円 (税込み)
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