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新たな魅力を発見、名士の存在
三国志にはいろいろな種類がある。まず史実があり、正史があり、そして演義(作り話)。それぞれに魅力があるが、本書は歴史学的な見地で、この時代の様子に切り込んでいる。「図解」と標榜しているので、子供向けかと思いきや結構、読み応えが合った。
三国が争うのは概ね共通しているのだが、それぞれに大きな開きがある。演義というのは、あくまで劉備を中心に対曹操の歴史を辿るものであるし、正史の方は曹操を中心に歴史の主流を辿るものである。演義は劉備に有利なような創作があり、正史にはやはり正統王朝がわに不都合なことはあまりかかれていないので、史実というか事実は闇の中って具合のものも多々あるだろう。 後漢王朝が最後の悲鳴を上げるさなか、強烈な個性をもつ群雄たちがぶつかり合う時代。人間も厳しい環境にたくましく生き、最高の魅力を放つのである。 そんな時代を物質的に見ることなどない。大抵はその正史や演義にでてくる武将たちの視点から、三国志という時代を理解するのだ。 そういう意味で、本書のような資料的なあるいは、論述的な内容の書籍は私にとっては新しい発見になった。三国志のファンを20数年続けてきて、また新たな発見があるのだから、三国志というのは奥の深さがありすぎる。 いままで漫然としすぎていたのだろうか。後漢の社会というものを本書で若干理解できたようだ。 後漢独特の孝廉などの、役人として就職する道がいわゆる「名士」社会を前提に成り立っていたのだ。豪族などとは違う儒教的な文化サロンで、名士たちの間で高い評価を受けることが立身につながるというわけだ。曹操はその名士を取り込み政権を強化し、最終的に名士と決別することになってゆき、劉備は名士の影の力を劉表の下に寄宿していたときに知る。孫権は父と兄が、領主の絶対件にとって邪魔な名士を虐待していたために、名士の懐柔に苦労したとも書いてある。「三国志 名士 郷里社会」とネットで検索してみたが、案外皆さんご存知な様子で自分の無知を恥じ入るばかり。 名士の力が大きく影響した時代、君主は誰もが彼らのネットワークに苦労したようだ。同時に名士というのは、情報という利権を自分たちで独占することによって、自分たちの価値を高く売りつけていたのだと思われる。そうだとすれば、三国が鼎立したころの名士というのはある程度打算的な部分があったのかと思われる。名士が激しい弁舌で、主を非難するシーンが多々ある三国志。しかし実際は名士が君主と対等あるいは、それ以上の立場から発言していた場合も往々にしてあるだろう。 こういったことはみな知っていることなのだろうが、私にははじめての気づきだった。うれしい。これでまた何か三国志に関するものを読むときにの視点が増えた。 |
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図解雑学 三国志 (図解雑学シリーズ) 渡邉 義浩 ナツメ社 おすすめ度: 価格: ¥ 1,365 円 (税込み) |









