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天上の響き
自由である。奔放さに圧倒され、そしていつしか幸福を感じる。なにか日常の世界を突き抜けた天上の響きのようで、聴くと引きずり込まれる。これは彼の最後の録音である。この4ヶ月後に自殺とも言われる謎の死を遂げたことと関係させたくなる。
Aylerの音楽は形式にとらわれない。コードによる曲の進行感がない一方、メロディーが自在につながれて進む。だから完結した印象がなく、どこまでも先へ先へと進む感じがする。これは即興演奏を主とするジャズの究極とも言え、ジャズを強く感じる音楽である。 この自由さゆえに、曲を聴くというよりは、Albert Aylerの生の声で話を聴くような印象が生まれる。全体の基調は、意外なほど優しい。人間的な優しさよりも、天上的な慈愛に近い。まるで音楽に包まれるようだ。時に優しく、ただし、あるときはユーモアである。その一方で、動物の呻き声のように突然に荒れ狂う。 まるで呪術師や宗教家の話を聴くようだ。意味不明な祈り、精霊との交信が続いたかと思うと、急に天上の言葉が告げられるような。真剣に聴いていると、日常とは離れていく様で、しかし、いつしか至福の瞬間が得られる。 一方で、この奔放さに耐えられない人もいるだろう。ポピュラー音楽のように、3分間で完結した話が語られる世界とは異なる。進行感が無く、不安を感じるかもしれない。しかし、じっと耐えた者だけに福音が訪れる様に、メロディーが身体に沁み込む瞬間が来る。少し覚悟が必要だが、ちょっとクスリにも似た音楽だ。 |
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