土曜日に羽目を外していた時代の香り満載
週休二日が当たり前ではなかったあの時代、終業ベルで解き放たれた若者が羽目を外していた土曜日。その土曜の夜の輝きを恋とダンスで表現した映画以上に、一大フィーバーを起こしたのがこのサントラだった。ダンサブルな12&13などのビックヒットもあり、主たるコンポーザーになったビージーズは正に我が世の春。今やイージーリスニングの定番になった彼等らしいメローな"How Deep Is Your Love?"は先行してNo.1に、名曲"Stayin' Alive"、3も同様に続いた。同時期に彼等絡みの曲(サマンサ・フォッグの"Emotion"、アンディ・ギブの"Love Is Thicker Than Water"など)もチャートを席巻し、ビルボードの1から5位まで独占する離れ業まで演じた。
個人的に推したいのはやはり大ヒットした"If I Can’t Have You"。I.エリマンの野性味ある歌唱が曲とほどよく喧嘩していい味だしている。3では最初の数秒のギターを何十回も取り直したとのエピソードもあるように、完璧主義によるビージーズの曲が主軸だが、彼等以外にもヒット曲満載の本作。11"Open Sesame"ではないが、開けてびっくり玉手箱をまるで音にしたよう。楽しさ満点のベスト系コンピレーションとしてオススメです。
1970年代後半のディスコ・ブームを体験した人々にとって、当時の音楽(それにファッション)というのは必然的にあの時代独特の空気を思い出させ、たまらない感慨を感じさせるもの。ビージーズの超名曲を耳にしただけで思わず体が動き出してしまう人や、結果的にヒップ・ホップの先駆となった音楽ということで興味を抱く人もいるだろうが、当時の雰囲気をぎっしりと詰め込んだこのアルバムは、やはり懐かしさとともに楽しむのがいちばんだろう。 興味深いことに、ここに収められている楽しいチューンには、意外と社会的なコメントが盛り込まれている。たとえば「Staying Alive」の歌詞は、ダンスを社会的疎外からの命がけの逃亡手段として描いている点で映画『ひとりぼっちの青春』をほうふつとさせる。まあ、そういう要素もあるということだ。ディスコ・ブームを要約しているのは、その後に続く「Night Fever」や「Disco Inferno」を始めとする、スパンコールを散りばめた白スーツで踊るときの定番曲のほうだろう。いずれの曲もメロディーと歌詞に強い個性をもっていることは注目すべきだし、また驚くべき点でもあるといえる。だからこそ多数のヒット・シングルが出たのだ。 あの時代を知っていれば聴きたくなる。あの時代を知らなくても聴きたくなる。つまりはそういうことだ。(Roger Thomas, Amazon.co.uk)
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