司馬 遼太郎 - 和書 - 子供と読む絵本の旅
若々しい国の香気のようなものを感じる  タイトルを付けて思ったのですが、秋山兄弟や正岡子規をはじめとする登場人物のすがすがしさにとどまらず、彼らを通じて、新しく作られた国の持っている若々しさを感じます。
 この作品が作られた昭和の時代ではなく、今読むことで特にその雰囲気を感じることができるのではないかと思います。モノが満ち溢れているのに何故か閉塞感漂う現代。これに比べて、小説の中の日本はほんの小さな国だけれども、何と悠々として晴れやかなことか。伊予弁の持つのんびりとした雰囲気も捨てがたいけれども、それだけではないと思います。これから日清戦争、日露戦争へと突入するのでしょう。これからが楽しみです。

   同じ松山で生まれ育った正岡子規と、日露戦争で活躍した秋山兄弟。子規は病と闘いながら俳諧の革新に挑み、秋山兄弟はそれぞれ日本の騎兵、海軍の技術向上に尽力した。当時最強とうたわれたロシアのコサック騎兵を打ち破るべく、ひたすら仕事に打ち込む兄好古と、文学の世界に未練を残しながらも海軍に入隊し、海軍戦術を研究し続けた弟真之。2人のまじめな努力の成果は、歴史が証明している。誰もが立身出世を目指した時代に、彼らがどうやって自分の人生の意義を見出したのか。そんな視点から読んでみるのもおもしろい。

   司馬遼太郎の大河小説の中でも、本書は特に評価が高く、ビジネスパーソンをはじめ、多くの人々に読まれている。改革の時代にこそひも解きたい、そんな1冊である。(土井英司)

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)   坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
文藝春秋
おすすめ度:
価格: ¥ 670
円 (税込み)
司馬先生の期待にこたえるために 他の方々が書いているように、短い文章ながら力強いメッセージがこめられていて老若男女問わず読み手に強い感動を誘う内容。流石、司馬遼太郎ということか。学生に限らず、人生の節目にある人に対する贈り物にも最適だろう。

21世紀になっても世界は司馬遼太郎の懸念を十分に解決できていない。私は本書の執筆当時の対象年齢層だった。そういう意味でも司馬遼太郎の思いを託されたと思い、折に触れて読み返していきたい。
二十一世紀に生きる君たちへ (併載:洪庵のたいまつ)   二十一世紀に生きる君たちへ (併載:洪庵のたいまつ)
司馬 遼太郎 (しば りょうたろう)
世界文化社
おすすめ度:
価格: ¥ 1,260
円 (税込み)
表題作はつまらない、だが他2作が秀逸 表題作は、著者の持って回った独特の臭気があって嫌い。もっと単刀直入に、歴史的事実に迫れば良いのに、なかばエセー的な書き振りがよくない。「惨殺」「胡桃に酒」は、秀逸で、とくに、「惨殺」は維新直後の動乱の東北が舞台。情報に疎い地域だけに、なんとなく、時流に乗れず、今から見ると頓珍漢なのだが、「中世の秋」ではないが、維新前後を「近代化」の視点から手繰り寄せるように見るのは一面的で、当時は、十分に「江戸時代の秋」だったのだと思う。その動乱期に、長州出身の2番手の人物が孤軍奮闘、性格的な欠陥が及ぼして、努力が報われず崩壊していく様が悲喜劇なのだが、一方で、寝ぼけたような伊達藩の連中のそれなりの陰険さもリアリティがある。新政府か佐幕かで東北各藩が割れて、なかには「城が落ちる」という時代錯誤的な素っ頓狂な事実まで記載されているのが興味深い。ガラシャを描いた「胡桃に酒」は少し出来すぎだが、何も言うことは無い短編。
故郷忘じがたく候 (文春文庫)   故郷忘じがたく候 (文春文庫)
司馬 遼太郎
文藝春秋
おすすめ度:
価格: ¥ 500
円 (税込み)
なんも言えねえ! 語るべきことは私の前の何十人もの方が書いてらっしゃる。傑作です。
私はこれで人生が変わりました。
しかし、今この文庫が700円越えなのには驚いた。でも、4セット目を買います。
前の3セットは貸し出し布教中に消えてしまったので。
とりあえず、読もう。できれば「龍馬がゆく」とともに。
時代小説、かつ青春(ちょっと長め)小説の傑作です。
燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)   燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
おすすめ度:
価格: ¥ 780
円 (税込み)
「文字が立ってくるまで読む」(本文から) 「なまの人間を崇敬できぬ」
「人間として人間にあこがれるという他愛さがない」
「人間は、互いに肥料であるにすぎぬ。
…人物に惚れることを怖れた。」
「万事、この男は不逞であり、可愛気がない。」
(何れも本文から)
でも、だからこそこの主人公河井継之助に惚れますよ。
考える凄さ、己の意見、優れた主観で動く素晴らしさを感じます。


峠 (上巻) (新潮文庫)   峠 (上巻) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
おすすめ度:
価格: ¥ 700
円 (税込み)
うっかり一冊が軍師二人なのかと早とちりしたが 幸村や後藤又兵衛関連の話を読みたくて、うっかり「軍師二人」という話だけの作品と思って買って、短編の一つだと分かってちょっと早とちりしたのですが、
読んでみると他の話もおもしろく、雑賀衆の話や関ヶ原の時のある男女の話など、戦国のたくましい女性をめぐる短編が意外と楽しめる作品で満足でした。
新装版 軍師二人 (講談社文庫)   新装版 軍師二人 (講談社文庫)
司馬 遼太郎
講談社
おすすめ度:
価格: ¥ 770
円 (税込み)
極上のストーリー 名前は何度も聞いたことあるけれども、読んだことがなかったのでまとめ買いしてみました。

読み物としてとても面白いだけではなく、生き方やものごとの本質の見極め方まで教えてくれる本であると感じました。

この本は歴史小説の名を借りた自己啓発本、ビジネス書であると思います。

もっと早く読めば良かったと後悔しています。
竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)   竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
文藝春秋
おすすめ度:
価格: ¥ 660
円 (税込み)
西郷の魅力 実際、第1巻では語ることの少ない西郷隆盛。
ただ、読み進めるとその茫洋とした魅力が尽きません。
語らないことによって、いろいろ想像してしまうからでしょうか。

西郷隆盛に強く惹かれつつ異なる選択をする桐野利秋、川路利良の心情にも
興味がつきません。
翔ぶが如く〈1〉 (文春文庫)   翔ぶが如く〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
文藝春秋
おすすめ度:
価格: ¥ 610
円 (税込み)
功山寺に行ってきました。 出張で広島に行った折り、念願の功山寺に行ってきました。

幕府と対決しようとする高杉が、必死に静止しようとする部下の頭上を飛び越えて馬で駆け下りたという、「功山寺の坂」を見たかったからです。

自分の選択が本当に正しいものと確信できるとき、他者の曖昧な意見の集約など必要ではないものなのでしょう。

そして自分の選択を即座に行動に移せるのは、稀有なことであるでしょう。

高杉晋作という存在が、今の世の中でも圧倒的に我々に迫ってくるのは、迷いのない行動にその本質があるのでしょう。


世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)   世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
文藝春秋
おすすめ度:
価格: ¥ 580
円 (税込み)
主人公の伝記というより、幕末の人間模様を描いた秀作 1977年の大河ドラマ原作。大村益次郎は中村梅之助が演じたとWikipediaにある。文庫3冊の長編。

大村益次郎こと村田蔵六は、高杉晋作から「火吹きダルマ」と形容された異相の持ち主である。私には、みなもと太郎「風雲児たち」でそのキャラクターと風貌とが強烈に刷り込まれているため、読書中頭の中で動く彼は正に一筆書きの「かわいいコックさん」であった。もちろん作者の練達の筆により物語は心地よく流れる。しかし作者自身も認めているように、蔵六の生涯のみでは話が膨らまない。余談に次ぐ余談であり、もちろん退屈する暇などないのであるが、一編の伝記としてみた場合、この長さには無理があると言わざるを得ない。

明治維新を完成させた天才軍師としての(わずか数年の)働きのために彼の名前は後世に残った。しかしもし彼にこれほどの才能がなかったら、彼の人生はどこにでもあるような、平凡で哀愁を帯びた人生であったと思える。職場では長年正当に評価されず、大半の同僚には疎まれ、そして妻にすら理解されなかった。妻は彼の両親を黙殺し、彼の遭難時にも駆けつけなかった。彼の死後、残した手紙等は妻によって襖の下張りに使われ、住居も取り壊されてしまう。作者はこれをごく当たり前のことと諦めたように語るが、そうだとしたら男の仕事とは何なのだろう?この時代、有能な人材がマイホームパパであり得たはずもなく、やはりこの妻は悪妻、それによる不当な仕打ちだったといえるのではあるまいか。その中で、イネの存在はモノクロの人生に映える一輪の赤い薔薇である。

最後にいわゆる司馬史観について。司馬史観とは鳥瞰的な史観であり、神の目から見た史観であるとどこかで読んだ。しかしこの、説明や余談の多い作品を読んでいて気づいた。そんな風にうまく言われてはいるが、結局のところ司馬史観とは「結果論」なのである。そのわかりやすさが、中高年層の人気の一因なのだろう。
花神〈上〉 (新潮文庫)   花神〈上〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
おすすめ度:
価格: ¥ 660
円 (税込み)
アイテム数:1448/ページ数:145  次ページ