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「ロマンティズム」の正体を
もっとも中国を知っていたはずの「支那通」が、結果としては、中国の近代史のなかで最も重要な底流であった「国家意識の形成と凝集力の存在」を見極められず、我が国を泥沼の戦争へと引きずり込んだ。著者によれば、これは「支那通」が、そのロマンティズムの故に陥った逆説的宿命であったということになる。実のところ、戦後も、今度は左翼系知識人を中心に、あたかも「新中国」こそ地上の楽園であるかのような気分=これも「ロマンティズム」にほかならないだろう=に支配されたわけだが、それから二十数年が経過した今、こんどは「中国はかならず分裂する」類の、これまた逆の「ロマンティズム」が大手を振っている。本書の功績は非常に大きいと思うが、できれば、「支那通」を特徴づけた「ロマンティズム」の正体を、いま一歩歴史的かつ哲学的に掘り下げてみせてほしかった。その点で、敢えて四つ星とした。非常な良書だが、読む側にもかなりの水準を求める点で、読者に媚びる姿勢とは対極にある本である。 |
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日本陸軍と中国―「支那通」にみる夢と蹉跌 (講談社選書メチエ) 戸部 良一 講談社 おすすめ度: 価格: ¥ 1,680 円 (税込み) |









