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沢木耕太郎独自のアプローチによる映画論集。
他のレビュアーの方と同じ書き出しになってしまうが、映画が好きである、当然、映画について書かれた文章を読むのも好きになる。映画と言うのは、あらゆる芸術表現の中で、それに触れる者が最も受動的に感受出来るエモーショナルな総合エンタテインメントであるから、映画について何か書くと言う行為は、評論家、ジャーナリストに止まらず、イラストレーター、エッセイスト、タレント、デザイナーから我々一般人まで昔からあらゆる分野の人々で行われてきた。ところが、その中で、作家が映画について言及している事は、映画好きが多いにも拘らず、同じ創作活動に携わっている事からくる配慮なのか、意外なほど少ない。そんな中、沢木耕太郎は、新聞や雑誌紙上で、映画について積極的に語っている希有な作家である。しかも、そのどれもが納得させられるのだ。映画の登場人物の内面を掘り下げ、洞察する力は、ルポルタージュ作家として、絶えず“生身の人間”と“人生”を凝視してきた沢木の真骨頂だ。映画と言うフィルターを通しながら、「ありえたかも知れない」あるいは「使われなかった」人生を解析しながら、読み手にも、自身のケースを夢想させたり、思いを馳せたりする事を喚起させる魅力を持った1冊。論じられている映画はマイナーな作品が殆どだが、DVDやヴィデオ化されているモノは多い。 |
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世界は「使われなかった人生」であふれている (幻冬舎文庫) 沢木 耕太郎 幻冬舎 おすすめ度: 価格: ¥ 600 円 (税込み) |









