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まさに「日本のジョニ・ミッチェル」
「日本のジョニ・ミッチェル」と呼ばれるシンガー・ソングライター金延幸子が1972年に発表した1stアルバム。最近まで名前すら知らなかったが、URCの編集盤に収録されていた「あなたから遠くへ」を聴いてその歌声に惹かれてアルバムを聴いてみた。
確かにジョニ・ミッチェルに雰囲気がよく似ている。透明感のある声、湿り気のない詞、シンプルなアコースティック・サウンドがとても洋楽っぽい。「日本のフォーク・ソング」からイメージされる世界とは少し違って、とても清潔な印象を受ける。聴いていると乾いた風に吹かれる感じ。ただし歌唱力が抜群というわけではなく、別のライブ音源では若干音程もあやしい。その辺厳しい人にはキツイかもしれない。 細野晴臣をはじめはっぴいえんど系の人々がバッキングを務めている。控えめながらツボを押さえたさすがの演奏。ジョニ・ミッチェルや荒井由実が好きな人ならお勧めできる。個人的には(2.)あなたから遠くへ(4.)時にまかせて、が愛聴曲。 1972年に発表された最初のソロ・アルバム。90年代になって渋谷系周辺を中心に再評価が高まり、いまや女性シンガーソングライターの古典的傑作といえる存在になった。細野晴臣、鈴木茂、林立夫らはっぴいえんど人脈のミュージシャンが数曲でバックアップしているが、装飾をつける程度の控えめな演奏に終始し、ほとんどは金延幸子のアコースティック・ギターとヴォーカルだけで成り立っている。彼女の最大の魅力であるヴォーカルは余計な音を必要とせず、自身の清涼感のあるアコギだけで十分なのだ。見事に透き通った声でまっすぐに歌われ、わずかにヴィブラートするそのヴォーカルは、芯の太さや力強さもあわせもつソウルフルな歌声といえるし、スキャットやフェイクの部分では風が吹くような爽やかな表情も見せる。日本人にしてはめずしく乾いた質感をもっているということも含め、ジョニ・ミッチェルに通じるヴォーカリストである。再評価されたのも、このシンプルなアプローチゆえのことだろう。(小山 守) |
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